10月31日

 約束当日。

 君が突然倒れた。

 君の病室にまたあわただしく人が行き来していた。

 ただ、吐血したときよりも人は多くなかった。

 少し経つと、人はいなくなっていった。

 病室に入ると、呼吸器と点滴を付けた君がベットに横たわっていた。

「ぁ……。ごめんね。約束、したのに。破っちゃって……」

 そう、申し訳なさそうに笑う君。

 ちがうよ。悪いのは君じゃない。この病気だろ?

 そう言いたいのに、喉に何かが突っかかったようになぜかうまく言葉にできなくて。

 せめてもの思いで、君の手をぎゅっと握った。

 そうしたら君はへにゃっとはにかんで、そのまま眠りについた。


 ああ。

 怖いな。

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