7月27日

 君の闘病生活が始まった。

 僕がお見舞いに行けば、ゆっくりと起き上がって、笑ってくれた。

「無理をしないで」そういったら、「してないよ」と笑う君。

 僕は返事に困ってしまった。

 沈黙が続き、重くなった空気を割くために出した言葉。

「何の病気なの?」

 今思えば、無神経な質問だったと思う。

 君は少しの間、僕の質問に固まったよね。

 僕がワタワタしていると、人差し指を唇に当てて、「秘密」って。

 そんな君が愛おしくて、病気のことなんかどうでもよくなっちゃって。

 笑っている君につられて、僕も笑った。

 この夏、君と一緒に過ごせるかな。

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