第35話 時計塔


マッチを売る少女ごっこはもう飽きた


運命はいつも引きずることを呪う


揺れる時計塔の秒針に託したら


いつか、こんな日々も終わるのかな


平凡さを数えては何も変わらない日々を


壊したい、壊せない、壊すことを望む




少女は今日もマッチを売る


売れないマッチを売って何になるのか


そんなことはわかりもしないのさ


今日の天気はまた雪だった


途轍もない吹雪がマッチを飛ばした


少女は思う、――私と一緒に


消えればいいのに


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