グレゴリーナは、安堵のため息を深々とついてから、シャワーを浴びに部屋を出て、タイルの上の華奢な自分の足の指を確認しつつ、コックをひねった。

 (ホントに…何だったんだろう? 疲れすぎで幻覚を見たのかしら? それとも精神に異常をきたしてきているとか? まさかね)


 シャーっと温水が出て、きれいな水が全身を洗う快感に身を任せ、ふと、横手の鏡をのぞいた。


 (!!) 声にならない絶叫が喉からほとばしった!


 次の瞬間、本当にグレゴリーナは絹を裂くような絶叫をした…つもりだったが、その声はやはり、さっき聴いた、おぞましいケダモノじみた怪物の声そのものだったのだ!


 全身は、おなじみの、もとの端整な均整のとれた美女の裸身に戻り…が、顔だけが相変わらず毒虫のままだったのだ!


 よりおぞましい、ホラー映画顔負けの怪奇なモンスターが鏡の向こうに立ち尽くしてこちらを指さしていた!


<続く>

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