パターン2・マゾ女の場合
グレゴリーナ・ザムザは、ある朝、何か気がかりな夢を見ていたあとに、目覚めると、自分が一匹の、まがまがしい形状の毒虫にメタモルフォーゼしているのに気が付いた。
…が、彼女はただのサラリーマンの中年男ではなかった。
若い娼婦で、そうしてなまめかしい美女だった。
触れなば落ちんという、あだっぽい風情と姿態をしていて、かなりの淫乱だったのだ…
「えええー? ナニコレ? 不条理劇? 流行らないアナクロブンガク? たまったもんじゃない」
嘆き悲しみ、大声で泣いた。 その声は、テレビでしか聴いたことのない野性のケダモノじみた身の毛のよだつ恐ろしい叫びだった。
一昼夜泣き暮らして、疲れ果てて昏々と眠り、日が暮れた後に、薄暗い部屋のベッドで目覚めた。
(…もしかしたら、元に戻っていないかしら?)
そう考えて、おそるおそる、右の腕を眺めた。
そこには、見慣れた白い若々しいオンナの華奢で伸びやかな腕があった。
(! 戻った! 治った! ナニカの悪い夢? ああほっとした。 荒唐無稽すぎて滑稽になるそんなオハナシ、イマドキにありえないと思った)
独り言ちて、グレゴーリナは安堵の吐息を漏らした。
が、悲喜劇はそれで終わりで無かった。
<続く>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます