第31話 愛崎 祭


「お前の兄はお前が好きだったんだ。だからその思いを封印する為に出奔したんだ! 祭! お前はどうして現れた?!」


 ユーリ、いや愛崎正守の舌鋒ぜっぽう鋭い問いに魔王のロールプレイをしている愛崎祭は答える。


「私は養子だった。だから私はれんを愛している! 亜沙羅人生には取られたくはない!」


「何! だからお前は俺の株を暴落させたのか?!」

 

 ジョス=レオンこと、ギザ=シルバザール(仮名)亜沙羅人生が訊く。


私怨しえんはない」

 

 マシールの父親であり魔王こと、王龍丹(唐名)、れんの兄、愛崎祭が答える。

「私は、ユーリとしてれんと共に一緒に冒険をした。そして色々と質問をして導いてきた。れん! 私はお前を尼将軍にするつもりだ!

 

「どういう事、兄さん」


「プロメテウスはパンドラに開けてはいけない箱を授けた。箱には色々な霊が封印されていた。だがそれを開けてしまったな。すると悪霊が飛び出て、最後に希望の光が残った」



「お前が説得した全ての魔物の霊がお前に取り付いてお前の霊力を強大にしている。だからお前は絶対助ける! 他の人間は倒してもお前は絶対助ける! 今のお前が現在の万神殿だからだ! だから総理大臣もお前を助けろと命令している。お前は株価を暴落させるスケープゴートなんだ! だから私は義兄としてお前を助けたいのだ!」


 そう言って魔王は、呪文を唱える。


「ガイヴード=デ=ローテリス=ヴァラヒム! 叫べ! 龍撃呪刃斬ドラグード)!」


 

 その瞬間、魔王の両掌から何十頭もの龍が出現して、マシール以外の者を襲った。


第31話 了

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