よるになりました。みけねこミーチャはおうちをでたいようです。

「たけるー! よるごはんよー! ミーチャちゃーん! よるごはんよー!」

「はーい!」

「んにゃー!」

 ああ、たけるくんのおかあさんがたけるくんをよんでいますね。それとミーチャもよるごはんによばれているようです。


 カリカリ。ムシャムシャ。ゴックン。ミーチャはカリカリをおいしそうにたべていますね。

 ペチャペチャ。ムシャムシャ。ゴックン。おや、おさかなさんのあぶらづけからもいいかおりがしますよ?


 ミーチャのよるごはんはカリカリなごはんと、かんかんにはいったおさかなさんのあぶらづけです。ミーチャはこどものころからあさごはんやおひるごはんはたべません。よるごはんだけはしっかりたべるようにしています。それはなんででしょうか?


 そのこたえはもうすぐわかるころでしょう。


 カリカリ。ムシャムシャ。ゴックン。

 ペチャペチャ。ムシャムシャ。ゴックン。

 カリカリ。ムシャムシャ。ゴックン。

 ペチャペチャ。ムシャムシャ。ゴックン。


 ひたすらによるごはんいがいにかおをむけることなく、たべつづけるミーチャはとてもしあわせそうです。


 ミーチャはおさらにいっぱいあったよるごはんをたべおえました。


 ペロペロペロペロ。ミーチャはいつもよるごはんをたべおえたら、おさらをペロペロなめてきれいきれいにします。


「あら? ミーチャちゃんはちゃんとたべおわったのね! そして、いつもいつもおさらがきれいなのね! えらいわね! たける! にんじんのおのこしはだめよ!」


「にゃぁあお!――えらいでしょ!――」


「ええー! だって、にんじんきらーい!」


 おや? たけるくんはにんじんがきらいなようですね? これをよんでいるこたちはおのこしはだめですよ? でも、おかあさん? にんじんはこどもにはくさいかもしれないから、あじがわからないようにきざんでいれてあげてくださいね?


 トテトテ。トテトテ。おや? ミーチャはおうちのとびらのほうにむかっていきますね?


「にゃぁあああお! にゃーーーん! にゃおにゃお!――おそとにでたいわ! はやく! とびらをあけて!――」


 おやおや? ミーチャがなきながら、おそとにでたいといっているようですよ? それとなんででしょうか? ミーチャのこころのこえがきこえますよ? ふしぎですね?


「おっ! ミーチャ! きょうもおまわりさんになるんだな! がんばってこいよ!」


 たけるくんのおとうさんがミーチャをおそとにだしてくれるようです。


 ミーチャのだいぼうけんがいま、はじまります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る