彼女を振った俺はなぜ妹の親友と付き合っているのだろうか

さらさらじゅぶこ

第1話

家に帰るとまた彼女の友達である陽キャ集団がいた。

昨日も一昨日もここ1週間ずっとこの家に来ている。


彼女である月海 神楽(つきみ かぐら)に聞いてみたものの


「別にいいでしょ?私の友達なんだから」


と言いここに居座ることを許可している。

明日は付き合って2年の記念日だから一緒にデートをしたいんだが陽キャ集団がいるせいで神楽に近づくことができない。


別に陽キャ集団に同棲のことが知られてないとか嫌いとかではない。

所構わず楽しく生活できるのはすごいと思うし全然家に来るのはいいんだが。


俺が陰キャだし毎日毎日来られると俺が神楽と話すことができないしそのことで更にストレスが溜まっていく。


陽キャ集団が帰ったのは9時を過ぎた頃。

俺は部屋にこもってたから何をしていたのかまではわからない。

ただ男女の笑い声は結構聞こえてきたからなにかで遊んでいたのかもしれない。


陽キャ集団が帰ったのをいいことに俺は夕飯を作りながら神楽に明日のことを聞く。


「なぁ神楽明日なんだけど出かけないか?」


「ん?明日は無理だから来週?」

「どうしても明日じゃないといけないなら柊斗(しゅうと)だけで行ってきてよ」


「え?」


まさか忘れてるのか?

去年は1ヶ月が経つたびに俺にデート行こうよと言っていた神楽が?

俺は恐る恐る神楽に質問した。


「もしかしてだけどまた明日もあいつらと遊ぶ気なのか?」


「ん?そうだよ。だから明日はむーりー」

「だから来週一緒に出かけようね」


ありえないだろ。

記念日を忘れて、更に1週間以上一緒に出かけることすらせずに明日も遊びますってか?!


俺は怒りを隠しながらこう言う。


「ごめん、来週は俺家にいないんだ」


「え、そうなの?わかった来週の土曜日は柊斗用事っと」


こいつはまだ勘違いしているみたいだ。


「何を言ってるんだ?来週の土曜だけじゃなくて明日からいないぞ?」


「え?でも明日は一緒に出かけないかって聞いてきたのに?」

「実家にでも行くの?」


誰かの家に行く泊まるつもりだったけど実家に帰るのもいいな。

今年はまだ帰ってないし、沙弥華(さやか)も待ってるしな。


「そうしようと思ってる」


「ふーん、早めに帰ってきてね」

「私柊斗がいなかったら寂しいから」


「は、はは、ははははは!」

「何言ってんだよ、神楽。誰が家に帰ってくるって言った?しかも俺がいないと寂しい?ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!!」


「ど、どうしたの柊斗?怖いよ」


何故か神楽は俺のことを怖がっているらしいが俺を止めることはもうできない。


「ちょっと前から友達を家に連れてきて、別にそれはいいけどな、何日連続で連れてくるんだよッ!この前なんか男の膝の間に座って嬉しそうにしやがって!アイツラが帰ったあとは電話でずっと話して最近は一緒に寝ることもなくなって!挙句の果てに『付き合って二年の記念日』を忘れてアイツラと遊ぶから一人でいってこいだの来週ならいいだの言いやがって。もう俺の事好きじゃないんだろ?!別れようぜ!!なぁこの家だって神楽にやるよッ!好きなだけ友達連れ込んでいいからさッ!!」


俺は我を忘れたように神楽に対して溜め込んでいたものを吐き出した。

そのまま自室に鍵を締めて閉じこもり家を出る用意をした。


そして翌日俺は朝4時頃に神楽にバレないように家を出て駅に向かった。

懐かしいなと思いながら駅から実家までの道を懐かしむ。


実家の前まで来ると玄関の前で制服のホコリを払う女子生徒を見かけた。


「えっと、どちら様?」


失礼だと思うが後ろから声をかける。

一瞬ビクッとした少女は後ろを振り返るとその少女は俺を見てこう言った。


「柊斗先輩?」



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星とハートくださいな

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