第2話 (つがい)とは?

目の前にいる自分を見て、俺は口をポッカリ開けたまま固まった。ドッペルゲンガーという言葉を思い出す。「あれって見たら死ぬんだよな、けど俺もう死んでるしどういうことだ?」そこで目の前の俺が俺に語りかけてきた。「今日から私が君の(つがい)だ、よろしくな。」何を行っているのか理解できずに戸惑っていると、転んでいる私に手を差し出してくれた。起き上がったが、分かったことは今2人で部屋にいることくらいしかなかった。そこで俺は「お前は誰だ?」ときいた。すると相手は俺の顔で気だるいような表情をして顎で部屋の壁をさして見せた。よく見ると張り紙が貼ってある。そこに書いてあったのは、

1 下僕たちは二人組(つがい)で協力して生活すること。

2 (つがい)は5m以上離れてはならない。

3 また死のうとしたら、死ぬまで拷問の刑💕

4 もし、元の世界に帰りたかったから、生への執着ポイントを5つ集めてね

5 もし、帰りたくなかったらずっといていいよ。


まず気に障ったのは下僕よわばりされたことだ。けど、それは置いておいて、今目の前にいる(俺)は何者なのかということを知りたい。どうやら俺とは違う人格を持っているようだ。すると相手から話しかけてきた。

「読んだ?私は涼子、よろしくね、でもなんであなたは私と同じ姿なのかなぁ?」何を言っているのか全くわからない。「君こそ俺みたいな、、っていうか俺と同じ格好をしてるじゃん。」「はぁ?何言ってんの、お前こそ私の体をパクってるじゃん。」どうやら俺から見ると彼女?の体は俺の体に見えるのだが、彼女から見ると俺の体が女みたいに見えるらしい。気味が悪いな。「あんたはさーもとの世界に帰りたい?」と聞いてきた。俺が女言葉を使っているところを見るのは不思議な気分だ。俺は無論「帰りたいわけないだろ、あんなところ地獄の化身さ」「そうか、、アタシは帰りたいんだよね、色々やり残したことがあってね。」俺は「あっそ、じゃあ頑張れば」「いやいや、書いてあることをもう忘れたの?(つがい)は2人で1組なんだよ。だからアンタが私に今日協力してくれないと帰れないの、わかる?」いちいちムカつく女だ。けど俺には自分の体に見えるから下手に怒りずらい。「俺は死んでも帰りたくない。」「一回自殺している男が言うセリフには思えないね。」「なんで俺が自殺してることを知ってるんだ?」「その張り紙の裏を見てみなよ。」そこにはこうあった、、、、、


❻みんな自殺者だし、仲良くできるよね😄


「あんたも私も死にたがり屋さんなのよ。」なんか急にこの女に対しての親近感が湧いてきた。人は同じ趣味とかだと仲良くなるが、死因が一緒でも仲良くなるらしい、、「ちなみに、、なんか変なことを聞くけど、どんなふうに死んだんだ?」浅いため息を吐き「あんたは?」と一言。「俺は、、首吊りだよ。ありきたりだけどな。」ここでようやく重い口を開いてくれた。「あたしは、本当のこと言うと自殺じゃないんだよね。」直感的に嘘だと思った。なんでかというと俺は嘘をつく時左手を握りしめる癖がある。あれ?けど目の前にいるのは俺だけど中身は俺じゃないから、俺の癖は反映されないのか?あ〜頭が痛くなってきた。だけれども嘘だと思い気持ちは変わらない。「いやいや、嘘だろ。だってこの世界には自殺、、自分で死んだ人しか来れないんだろ?」「とりあえず、、街に出てから話そうか、、、、、」「おっおい、5m以上離れたらいけないんだぞ!」「ふっ、あんたそんなの気にする柄じゃないでしょ、嫌だったらこっちに来なよ。」「おい待てって。」外に出て俺は自分の目を疑った。



つづく

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