idol
琳
01
「今日も来てくれてありがとう!」
ペンライトの景色が美しい。僕が視ている景色は、所詮客席の一部に過ぎない。だが、舞台に立っている人達はどうだろう。僕なんかよりも何倍も素敵な景色を視ている事だろう。
舞台に立つ。それは簡単な事では無い。それぞれに、それぞれの努力があるからこそ、こうやって舞台に上がる人間が居るのだろう。僕は幼い頃から、親に沢山の「舞台」を見せてもらっていた。歌舞伎や能、落語といった日本伝統の舞踊から、演劇やミュージカルと言った芸術的なものまで、その内容は幅広かった。
ただ、僕はそんな中でも「ライブ」が好きだった。特にアイドル。キラキラした舞台に、キラキラした人。何時の間にかその光景に憧れを覚えていた。
そしていつの間にか、それは「見たい」から「なりたい」に心情を変化させていた。僕でも、あんな風になれるかな。こうやって応援される立場になれるかな。そして、この美しい景色を「向こう側」から眺める事は出来るかな。そんな無謀な希望を持ちながら、今日も会場を後にした。
idol 琳 @rinne_0614
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