第24話 母と娘特定される①

「おぉん、瑞穂ちゃんすげぇな~」


中間テストの点数やべぇぞ~コレ。

5教科で100点が4つもあるぞコレ~、やりますねぇ!はぁい。


「ん」


あらん?照れちゃってるぅ~。

よしよ~し。さらっさらの髪じゃのう。よしよ~し。

これはもうあれだな、何かご褒美をあげんといかんな。


「頑張った瑞穂ちゃんやい。何か~欲しいもんあるんかいのぅ?」


「え?ん~特には無いかな?」


「ん?あるじゃろ?お母ちゃんに言うてみ?ん?」


「え~?ん~?」


私の膝でゴロゴロして考えても何も出んと思うぞい。痛くないから良いっすけどね。

あ~いいぞ~これ。休みの醍醐味ぞ~。

娘っ子さに甘えてもらうん超良えぞぉ。


「お晩御飯リクエスト~!!」


「ん~…カレー…、シチューが食べたい」


「ビーフシチュー?クリームシチュー?」


「クリーム。ブロッコリー入れてね」


「任せんしゃい♪」


お野菜も何でも食べれるし、好き嫌い無くてええ子やわ~。

こらこら、よじ登って来るんじゃありません。瑞穂ちゃん猫っぽいな。

ピンポーン。おん?誰ぞお客さんかい?この時間にぃ?


「誰だろ?私見てくる…」


制服姿が可愛いのぅ…。でも、もう少し家着用のお洋服見たいぞ~コレ。

うむ、ご褒美はお洋服にしましょうぞ。ええぞええぞ~♪


「お母さん、お客さんだよ?」


「ほぇ?だれ?」


よっこいしょういっち!!ふぃ~誰やねん。

16時前じゃのぅ…。おらぁ、セールスはお断りじゃい!!はよ帰れぇ。

ってか知り合いならプリンで連絡くるんじゃが…マジで誰やねん。


「え、あんた都?」


「あん!?誰だお前!?」


どっかで見たような事があるような無いような…?

んにゃぴ…覚えておらんっち。


「え?お母さん…知り合いじゃ無いの?」


「知らんぇ~?どちらさん?」


とりあえず変質者やったらあかんし、瑞穂ちゃんおいで~。

ってか勝手に入ってくんなや。警察呼ぶど?


「は?あんた、実の姉の顔忘れたの?」


「ん?ん~?」


ん?違くね?何かぁ…違くね?

記憶の中だともっとなんていうか~ねぇ?

芋くさいっつぅか…ぺったんっていうか…。

こんなにあれやったか?ド派手ぇやったか?ボインやったか?


「整形した?」


「あんた…久々でむっかつくわね…」


「だって、記憶と違うからね。目はもうちょい閉じてたし、鼻も少し低かったし、顎のラインも全く違うし…胸もそんなに大きぃ無かったやろ?」


「…っ、む、昔の事でしょ!?大体、10何年も会って無いのにそんな記憶当てにならないわよ!!なによ、やっと見つけたからこうして会いに来てやったのにその言い草。あんた昔っから生意気だったのよ!!」


「あのさぁ…吠えないでくんない?近所迷惑だから」


「そういう所がムカつくのよ!!」


「あほくさ…君もう帰っていいよ」


キャンキャン吠えるところは変わらんな~。

確かに…記憶の中にある業突く張りの姉だわ。

てか、否定してないからやっぱり整形したんじゃん。豊胸もか?

私飛び出した時17歳やったよね?あの時から成長せんかったんか…あわれ。


「その目もむっかつくわね…」


「出てってくれへん?警察呼ぶで?」


「はぁ!?何でそうなるのよ!!」


「うちな~勘当されてんねん。せやからな~うちとあんたは他人やねん。それでな~今現在進行形で不法侵入やねん。分かってるぅ~?」


「お、お母さん。スマホ」


「お、ありがと~瑞穂ちゃん」


「はぁ!?」


「ほいほいっと」


身バレするというか…家まで特定されるとはな~。

こういう時はあれか?奴やな。ほいほいほい…っと。


『もしもし、今仕事中…』


「おうおう、ごらぁ?お仕事中御免のぉ!まっつん警部ぅ説明せんかい!!」


『は、え?な、なに?』


ネタは上がっとんねんぞぉ?(嘘)


「家に変人来たぞ!!どうなってんや!?」


他人の事言えへんけどなぁ…まま、ええやろ。


「『はぁ!?」』


「おうおう、最近見せてもらったアレぇ!関係あるんちゃうんかい!?おぉん!?」


『…そ…そんな筈は無いわよ?私の方で管理してるんだし』


明らかおかしい反応ですやん…えぇ…。(困惑)


「ほんとぉ?(狂気)あ、そういえばどうやってここを特定したの?」


「ど、どうでもいいでしょ?」


なんできょどるんでっか?ままええわ。


「まっつん、家んとこ来てぇ。不法侵入者が居座ってんねん」


「だ、誰が…」


『直ぐに誰か手配するわ。何もされてない?』


スピーカーにしてて正解やったの。

ビビッて大慌てで出て行ったわ。げっげっげ…。(ゲス顔)


「んにゃぴ、もうええで。ビビッて帰っちゃった~」


『あら、そうなの?』


「そうそう。どうやってここ突き止めたか聞いたらきょどってたし、何か探っといてくれへん?」


『…あ~もし…もしもよ?内々での事だったら黙っといてね?』


「頭に来ますよぉ?瑞穂ちゃんと私に詫びんでええん?」


『分かったわよ…もぅ。じゃ、仕事に戻るから』


「ありがとナス。お仕事頑張ぇ~」


ポピっとな。

瑞穂ちゃんよしよし、怖い整形豊胸ウーマンはもうおらんで~。


「瑞穂ちゃん、ビビった?」


「…うん」


おっほ、あら~泣きそうになっちゃって…めっちゃ可愛い。

どうする?このままネンネする?おしっこ大丈夫?


「私が守るから、安心しなさい。でも…しばらくは誰かと一緒に行動してくれないかな?家に居る時は必ず施錠して。いい?」


「うん…分かった。お母さん…あの人はお母さんのお姉さん?」


「そうだよ(肯定)おばさんね、お・ば・さ・ん」


「ぷっ…。あの人怒りそう…」


「ガチギレするで。パッと見やけど指輪してなかったし…売れ残りや」


「お母さんひっど…」


「へっへっへ」


よすよす、瑞穂ちゃんも和やかになってきたの~。

あ~吃驚したぁ…。なんで特定されたんやろか?

っていうか…何で今更接触してきたんやろなぁ?

次はあいつらも来よるんか?勘弁してぇやぁ…。


「お母さん?」


「あっ、そうだ(唐突)買い物行こっか。アイスも買いに行こうゾ?」


「う、うん。着替えてくるね」


今日はテイクアウトで持って帰ろか~。お風呂上りにでも食うぞぉ♪

さて、まっつんの連絡待ちやの。頼むでぇ…ほんまぁ。

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