第22話 母の買い物

「ミヤちゃん、おっす」


「マキちゃん、ちっすちっす」


マキちゃんと一緒にお買い物なんっすわ~。

まぁ、マキちゃんの為のお買い物なんですがね。


「ミヤちゃんってそういう服も着るんだね~」


「ふふん。これは愛娘プロデュースなんっすよねぇ♪マキちゃんも可愛いぜ!!」


「ありがと~。ミヤちゃんも似合ってるよ」


ええやん。(小並感)

お買い物スタート。はーじまーるよー。


「って言うか、この辺にそんな店あったっけ?」


「集合場所を此処にしたじゃろ?こっからすぐそこゾ。じゃけん行きましょーね~」


ユリちゃんママの行きつけのお洋服店(ランジェリーショップ)。

エロから卑猥まで…何でもござれらしい。オラわくわくすっゾ!!

裏通りにあるのがあれなんですがね。まぁ、表立ってはきっと無理ゾ。


「あ~これは来ないね。裏路地じゃん…」


「せやろ~?私もどこや!?ってなったもん」


これほんと。マップ見ても載って無いからね。

ホームページ見てここ!?ってなったもん。


「お、あったあった。こ↑こ↓」


「お~。何かそれっぽい店だぁ…」


全体的にピンクと紫。もうちょっと配色考えようぜ…。ままええわ。


「お、開いてんじゃ~ん!」


「いや、当たり前でしょ…お昼回ってるよ?」


マキちゃんツッコミ来ました。いいっすね~ハァイ。(にちゃぁ)


「いらっしゃいませ。当店は初めてのお客様でしょうか?」


私らと同年代っぽい店員さんが声を掛けてくれた。

お、中々セクシーな制服っすね。良いぞ~コレぇ。


「はい、そうです。友人のお勧めで教えてもらったんですよ」


先ずは冷やかしで無い事を教えましょう。

女二人でキャイキャイして帰っちゃわないっすよ。

それに実はここ、一見さんに厳しいお店らしい。

ユリちゃんママ…どうやってここ来たん?


「そうなんですね。こちらの会員様でしょうか?」


「はい、そうですよ。ノワって言ったら伝わるって聞きました」


ユリちゃんママの仮名らしい。

本名バレしない様にの配慮らしいけど…いる?


「ノワ様ですね。はい、存じております。どうぞ、ご自由にご覧になって下さい。何かおありでしたら、何なりとお声がけ下さい。」


「どうもありがとうございます。マキちゃん、探そうゾ」


「え、あ、うん…」


怖気づいてんじゃねぇぞぉ?仕方ねぇな…マキちゃんをエロくしてやんよぉ。

ほら、あくしろよ。あ…目移りしちゃいまんなぁ、これ。


「はわわ…え、これ?これ着るの?」


「そうだよ(肯定)」


わぁ、これがTバックですか…色んな形がありますねぇ~、こんなに種類も多いと思わなかった~。(にっこり)

マキちゃん意外に純情なんですね…知らんかった。

糞エロキャミソールが気に入った様子。糞って言っちゃ駄目っすね。


「マキちゃんはそうだね~。これとかどう?良い感じのラインだし、素直に惹かれると思うよ?」


「え、う、うん。わ、わぁ…」


おいおい…これもうわかんねぇな。奥行に広い店だったか…商品あり過ぎるわ…。

おん?おほぉ?これ良さげっすな。スケスケやん。


「マキちゃん、マキちゃん。サイズおせぇてけろぉ?」


「え?あ、うん」


ほんほん、これ行けるやん。これにしぃ、これに。


「ふぉ…み…みえまくりじゃん…」


「そうだよ(二回目)。んでぇ、中にこれとか着て~…いやぁ、こっちの方が良いかな~?」


「ちょちょちょっ…こ、これぇ?えぇ!?」


「そうだよ(三回目)。あ、こっちの方が良いかな?店員さ~ん、これのサイズあります?」


「少々お待ちください。確認してまいりますね。試着なされますか?」(にこり)


「え、良いんです?じゃ…お願いしますぅ」(にこぉ)


「うぇ!?」


この店員さん…やるやん。へへ、気に入ったぜ。

さてさて、ん~これも捨てがてぇなぁ…これ…ん~こっちか?

あ、あの店員さんの意見も聞いてみるべ。がはは。


「み、ミヤちゃん…私達…親友…だよね?」


「そうだよ(四回目)、どしたん?」


「い…、一緒に買お?」


「…」


え?マキちゃん…こんなに可愛かったっけ?お顔真っ赤やん。純情乙女やね。

普段の旦那アッピルはどこいったと?


「しょおがねぇなぁ~、いっちょ一肌脱ぐか!」


「ホント!?お願い、ありがと!!」


「へへ、よせやい。照れるじゃねぇか…」


んじゃあ私はこれって…決めてたんっすけどね。へへっ。

ん~でも、瑞穂ちゃんの目に悪いかな?まま、着てみんと解らんわい。


「あれ?もう決めてたの?」


「そうだよ(五回目)。へへ、一足お先だぜぃ」


「待ってよぉ…えぇ~?」


「お客様、お待たせいたしました。こちらのサイズでお間違えないでしょうか?」


「あ、そうどすぇ。お姉さん、敏腕やねぇ~」


「お褒めに預かり光栄に御座います」


「…ちょっとその腕見込んでやぁ…頼まれてくれんかぁ?そっちのお嬢さんを染め上げたいんやぁ~」(ゲス顔)


「ふふ、お任せください…必ず、ご期待に沿えましょう」(にまぁ)


お、いける口やなぁ。へへ、早速選んでぇやぁ。

マキちゃぁん、まだ迷っとるみたいやが…もう遅いでぇ~観念しぃやぁ?


「お客様、一通り揃えてまいりました。お客様のお眼鏡にかなうでしょうか?」


「お、やりますねぇ。ほな、行こかぁ」


「はい」


この店員さん凄ぇ早いな…もしかして…最初っから考えてたのかな?

だとしたら怖ぇんだけど!?まま、ええわ…。(震え声)


「まきちゃぁん(にっちゃり)、おいでぇ~?」


「え?」


招きますぞ。こっちへおいでおいで~。さぁ…いっぱい選ぼぉ~。

大丈夫だって安心しろよ~。ヘーキヘーキ、ヘーキだからさ。なぁ!?

時間はたっぷりあるんだぜェ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「お…おお、お母さん?」


「どやぁ~♪買っちゃっ…ふぁ!?瑞穂ちゃん、鼻血鼻血!!ああ、ちょっと…救急車?いやいや…えっとえっと…」


「お、おがあばん。まっへまっへ!!びはうあら!!」


「ああああ…ヤバいヤバイ!!メッチャ垂れてる!!チィッシュどこぉ!?タオルぅ!!」


「おはあばん!!へーひだはら!!」


「あ、ほら…ちゃんと当てて。横になろう?」


「バイビョウブ…ばぁ…ふふぅ…」


「こんなんどうでも良いから横んなって、ほら膝枕。とりあえず、血を止めなきゃ…」


「へーひへーひ。らいじょうぶひゃはら」


「あ~びっくりしたぁ…」


「あ~…、へっかふのふふあ…」


「ん?どうでもいいってば。あ~ただの鼻血みたいだね。心臓止まるかと思った…」


「ごべんなはい…」


「いいよぉ…もぉ…。ビックリしたぁ~。ハァ~(糞デカ溜め息)」


「…おふふぉはひひなおほ?」


「怖いから…アルコールで拭き取るだけにしよっか…。ハァ~(二回目)」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「な、なぁ…今夜は…いいか?」


「う、うん…」


(ミヤちゃんありがとぉ!!火曜なのに…仕事終わりの旦那…釣れたわ!!)

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