転生したら本でした
アオヤ
第1話
俺は今、絶望している。
「死ねばいいのに・・・」
高校のクラスメイトの石井茜にその言葉を言われ『今まで頑張ってきた自分は何だったんだろうか?』なんて考えてしまった。
よく『言葉には
たぶんこの言葉は俺にとって一撃必殺の言葉になるだろう。
何かにつけ俺を目のかたきにしてくる石井茜は俺にイチャモンをつけカツアゲしたりしてくる。
今日はさすがに頭にきて「もうお前に渡す金なんかない! 」って言ってやった。
そしたら茜が・・・
「私、渡辺明人に着替えを覗かれました。」
なんて無実の罪を俺にきせてきた。
担任は俺の言葉など全く信じてくれなかった。
こんな事になってしまって・・・
たぶん俺、希望している大学はもう無理だと思う。
そんな時だった。
茜にとどめのあの言葉を浴びせられて全てが終わったような気分になった。
なんだか学校も友達も勉強も全てが嫌になり、俺は何かに誘われる様に校舎の屋上へ続く階段を上がって行った。
屋上へ上がって外を見ると真夏の陽射しを浴びてあちこちにゆらゆらと陽炎が立ち昇っている。
俺は屋上で焼ける様な陽射しを浴びて『このままこの身体が焼け焦げてしまったら楽なのにな。』なんて考えてしまった。
屋上から下を見ると希望に満ち溢れた生徒たちがグランドを走り回っている。
でも俺は・・・
もう終ってしまったんだ。
これからの事を考えるのも面倒になってきた。
そんな時、眼の前に真っ黒な陽炎が現れた。
それはまるで俺を誘っているかの様にゆらゆらと揺れている。
俺は・・・
誘われるままにその陽炎の先に未来がある様な気がしてきて躊躇いもせずに入って行った。
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