第44話

「みどり、お願い?って」


「…なん、なんで…」


「恥ずかしい?じゃ、そのままにしちゃお」


「…やだ。みどり、お願い…」


みどりはにやりと笑った。なにその顔、なにがそんなに楽しいんだか。


「いいよ?守のお願いはなーんでも聞いちゃお〜っと!元カノにはされなかったんだ?」


「それはないって…あ、こんな、こと…」


「求愛してるの私だけなのー?嬉しい〜!もー守かわいい〜」


「う、うるさい…」


これは求愛なのだろか?求愛ってなんなんだよそれ。そんな変なこと普通言わないし。



「守に怒られたから諦めるんじゃない?」


今は、スウェットに着替えてご飯を食べている。


「適当かよ」


「だって今更?前の話でしょ」


「…まぁ、そうだけど」


「子供急にほしくなったのなんでだと思う?」


「…なんか、小田先生あたりがみどりが合コンで男連れ帰ったら必ず寝てたとか…言ったから…かも」


「小田ね〜。寝てたけど、それがなんなの?」


「それで、俺が…できるって知った…とか?」


「ふーん?守をせっかく私仕様にしてるのに。取られたくないな」


「なにその仕様って」


「これからはもっと仕上げちゃお。いい器具買っちゃおうか」


「なにそれ?」


「それとも、動画見て感度を上げます?検索してっと…」


スマホを手にとり、検索してる。


「これだよ。無料だから料金は気にしないで?」


アダルトな映像…食事中に何考えてんだ。


「…こういうの、俺は無理。見たくない」


「なんで?パンダも見るじゃん」


「意味わかんない。嫌だよ。気持ち悪い」


「…えー?そうなの?なのに私には元気になってくれるの?そうなの?ねぇ」


「うるせぇよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る