第36話

「姉って、舞台女優のあんなさんもいるよね?」


「え、知ってたんだ…」


「会ったことある」


「舞台とか見る?」


「昔、柊の弟が劇団入ってたから見に行ったりした」


「…守ってアクティブね」


「そう?みどりと違ってあんなさんは美しかったよ」


「そりゃそうよ。女優なんでね」


なにその理屈は。


「で?女優辞めてもらうとかある?」


「さぁ…ねぇ」


でも、みどりは大学の教授だったのを辞めさせられてる。


「みどりはけっこう自由じゃないね」


「まぁそうかもね」


「…お母さんに会うのいつになるんだろう」


「さぁ。私も会ってないし」


メールのやり取りだもんな。業務連絡になってる。


「守は、お兄さんと私を会わせる気は?」


「会ったらまぁしょうがないけど。わざわざ会わせなくてもいいよ」


「うん、そうね。はーそれよりも三つ子は性別どうなるか、楽しみだよね?どんな組み合わせがいい?」


「それは…なんでも」


「全員男という可能性もあるよね?」


「まあそうかも」


「そうだとしたらやんちゃすぎて、仕事に行けなくなるよね?保育園にまとめて預けられるもんなのかな?」


「お手伝いとか知り合いいないわけ」


「いや、全部お任せとか嫌。リモートで長山さんとやり取りできるようにしないとなぁ。機材とか用意しとかないとなぁ」

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