第35話

「守、おかえり〜」


邪魔が入ったけど、ようやく帰宅。


「調子はいいの?」


「うん。別荘行こう」


みどりを連れ、別荘へ。郊外にあって、広いところだ。会社からは少し遠くなっちゃうな。


「部屋の中は掃除はしてないけど、外の掃除は定期的に頼んでます。だから綺麗」


「へー、外観はいい感じだ」


「ここに柵をしようかなと」


「大きさは?この辺りまで?」


みどりと一通り決めてから再び車で帰る。


「今日は大騒ぎされた?キスマーク」


「別に?絆創膏なにって言ったの1人だし。桃川。覚えてる?」


「あー、私受け持ってた」


「そうだっけ?」


「あれ?守は記憶力そんなによくない?」


「俺はね、顔と名前覚えるのは得意だけど、その他どうでもいいことは忘れてる」


「そう?桃川さんは、いつからか指輪をするようになったよね?」


「それ細川くんだよ。彼氏だったとき」


「へー?彼氏とも知り合い?」


「今は旦那だよ。よく遊んでもらってた」


「へぇ、そうなんだ」


「医者してたんだけど、今は辞めて細川グループの子会社の社長になってるみたい」


「…えー、そうなの。もしや私も会ったりするかな?」


「さぁ?みどりはどの程度仕事してる?」


「私はモデル事務所だけ任されてるからなー。下っ端」


「社長になる予定は?」


「ないよー、姉がやるんじゃない?」

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