(三)-8

 少女たちを使う側は、ビジネスでやっていた。少女たちを紹介することについても手数料を取っていた。工場も人手不足にもかかわらず、高い賃金を支払えないような会社が安い労働力を求めて国の制度を利用して少女たちを受け入れていた。それは少女たちのためというよりも、自分たちの利益のため、自分たちが生き残るためであった。そしてそのためには、彼女たちの希望や未来を潰すことも何とも思わないのだ。

 毎日同じ事の繰り返し、残業したからといって増えない給料、少ない上に自由にならない自由時間、そして工場長の女の高圧的な態度。多感で自分の将来、未来の可能性に様々な想像と希望を膨らませることのできる年頃の少女たちに、そのようなストレスや、押し出される味気ないところてんのような毎日への不満と閉塞感、失望と反抗心を抱くなという方が無理な話だ。故郷の村にはない華やかな世界が、手が届きそうなすぐ近くに来ることができたのだ。そんな日本を、もっと知りたい楽しみたいと思うのは自然なことだろう。


(続く)

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