(二)-10
カムラが窓を開けた。そして腰のあたりまである窓枠を乗り越えて外に出た。
スークも同じく窓を乗り越えて外に出た。
二人はゆっくりと音を立てないように寮の壁沿いに歩いて行った。
工場の敷地の入口までくると、鉄の門扉まで近づいた。そしてカムラはそっと門扉を開けて二人は敷地の外へ出た。
二人は水田の脇の路上を足早に歩いて行った。
一〇〇メートルくらい来たところでカムラがふと後ろを確認した。
カムラは「あっ」と声を上げた。スークは「どうしたの」と尋ねて、後ろを向いた。
(続く)
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