アオハリアン ~エイリアンだって青春したい!~ 

佐々木裕平

第1話 告白

エイリアンにフラれた人間は、人類史上、俺が初めてではないだろうか。


 


俺、星空高校一年生、青木ハルト。


ちょうどいま、俺は告白したんだ。


告白の様子はこんな感じだった……。 




場所は俺の通う高校の屋上。春らしいのどかな風がそよそよと吹いていたんだ。




「し、白雪アスカさん。君のことを考えると、夜も眠れない。君のことを研究したい! 俺と研究を前提につき合ってくれないか!」




俺はこれまでの人生で、こんなに緊張したことはなかったね。


しかし告白をしないと、俺の胸の苦しみは永遠に続くと思われた。


だからすべての勇気を振り絞って告白したんだ。




「すまない。私は、君とはつき合えない」




俺の目の前の制服の似合うロングヘアの美少女は、表情を変えることなく、落ち着いた声でそう言ったんだ。




「そ、そうなんだ……」




思わず声が裏返った。


ウソだろ? これで俺と彼女の物語はおしまい? 


俺この胸の苦しみはどうしたらいいんだ?




「なぜなら私は地球外知的生命体、つまりエイリアンだからだ」




彼女は真面目な表情のまま、俺を見つめていた。


ん……? いまなんて?


自分のことをエイリアンって言わなかった?


言ったよね? 


え? どういうこと?


 


頭の中がグルグルと回り始めた。




そもそも、俺がこの自称エイリアンと宣言した美少女と出会ったのは、いつだったっけ?




そうだ、ほんの十日前、星空高校入学式の日のことだった……。

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