第554話 VS光と闇を併せ持つ者?

「さて、どうしようかな?」


「ヒモノよ、余の強くなった気がする魔法を使ってみたらどうだゾヨ」


「えっ? ああ、そんなのもあったなぁ」


 確か、一〇階で見つけた宝箱に入っていた紙に書いてあったヤツだな。


「それなら、臆病な性格が直って、爆発しなくなるかもしれないわねニャ!」


「そうッスね! やってみるッスよ!!」



「ヒモノさん、その前に試し撃ちをした方が良いんじゃないのッピ?」


「そうねニャ。正直、どんなことが起こるか忘れちゃったからねニャ」


「では、やってみようか」


「うむ、承知したゾヨ」


「呪文はなんだっけでヤンス?」


「それは紙に書いてあるはず…… ええと、どれだっけ?」


「この紙なのです」


「ああ、ありがとう、チカ。では、やるか」


「うむ、いつでも良いゾヨ」


 俺は『生命の創造者ケベフギバユ、七色の光エンレクヤゾウミビイ、猛き獣イィの光を浴び無限のパドチニバイキウップ』と唱えて、杖ちゃんの噴射ボタンを押した。


 すると、杖ちゃんの噴射口から、虹色の細いレーザーのようなものが放たれた。



「ああ、こんな魔法だったな」


「これなら、当たるッスかね?」


「どうだろうな?」


「そこはやってみるしかないわねッピ」


「そうだな」



「では、また行くとするか」


「杖ちゃんのMPは足りるのニャ?」


「後、一回撃てるゾヨ」


「一回は不安でナンス。ヒモノ、念のために、杖ちゃんのMPを回復させておくべきでナンス」


「その通りだと思いますよでナス~」


「それもそうだな。では、しばらく休憩しようか」


「うむ、分かったゾヨ」


「ああ、やっと休めるでナンス」


「移動ばかりで疲れましたよでナス~」


 それが本音か。



 またゴキヤニペッブバ諸島の近くまでやって来た。


「ヒモノさん、あそこにいるのです」


「では、撃ってみようか…… って、羽ばたきながらでは、狙いが付けられないじゃないか!? どうしよう!?」


「島に上陸して撃つッスか?」


「わたくしの電球が、近付いただけで爆発される可能性があると言っているのです」


「上陸はできないか」


「ならば、私がヒモノの背中に乗って、狙撃するのだよ」


「ああ、なるほど」


「それなら、近付かずに済むわねッスわ」


「よし、それに決定だな」



 レーアさんが俺の背に乗った。


 そして、魔法を発射した。


「よし、命中したのだよ!」


「お疲れさん。光と闇を併せ持つ者はどうなった?」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」


 突然、島の方から雄たけびが聞こえてきた。


 さらに、爆発音も複数回聞こえてきた。


「な、なんだ!?」


「わたくしの電球が、魔法が命中した光と闇を併せ持つ者が叫んでいると言っているのです」


「あの爆発音はなんなのでヤンス?」


「他の光と闇を併せ持つ者が、叫び声に驚いて爆発したのです」


 本当に臆病だなぁ。


「どうやら作戦成功のようなのだよ」


「ヒモノ様、魔法が効果が切れる前に攻めましょう!」


「ああ、そうだな! 行こう!!」



 島の上空にやって来た。


「あれ? なんか変なのがいるぞ」


 シマウマの生首のようなものが付いた虹色の球体。

 球体の大きさは直径一メートルくらい。

 球体の両側面に、筋骨隆々、小麦色、無駄毛なしの人間の手がひと組生えている。

 宙に浮いている。


「なんだあれは?」


「わたくしの電球が、あれは光と闇を併せ持つ者が進化した者だと言っているのです!」


 えええええええっ!?


「ということは、あれは『超光と超闇と超虹を併せ持つ者』ですわねペカッ!」


 なんじゃそりゃぁっ!?



「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!! 俺はもう何も怖くねぇぞぉっアワッ!!!」


 超光と超闇と超虹を併せ持つ者が、そう叫んだ。


「今の俺は無敵だぁぁぁっアワッ!!! 人間さんを全部ぶっ殺して、食ってやるぜぇぇぇぇぇっアワッ!!!」


 とんでもないこと言ってる!?


 あの魔法、効きすぎだろ!?


「ヒモノ、あれは悪なのである! 倒すのである!!」


「ああ! やるぞ、みんな!!」


「了解であります! 私のモザイクで仕留めてやるであります!!」


 マモリさんがモザイクのプレートを大量に放った。


 やったか!?

 な、なんだと!?


「おおおおおおおおおおおおっ!!!!! こんなもん効くかぁっアワッ!!!」


 モザイクが全身に当たっているのに無傷だと!?


「やるでありますな! ならば、これはどうであります!!」


 マモリさんが極太レーザーを放った。


 超光と超闇と超虹を併せ持つ者は、レーザーに飲み込まれた。


 今度こそやったか!?

 バ、バカな!?


「フハハハハハハハハハハハッ!!!!! こんなもの効かんぞアワッ!!!」


 また無傷だと!?


「くっ、なんて硬いヤツでありますか!?」


「次はワタクシが参りますわ! 秘技『乾燥する水着』ですわ!!」


 ルメーセが物干し竿と物干し台のようなものを大量に放った。


 おっ、命中した!

 これで乾燥するのか!?


「無駄だ無駄だアワッ!!!」


 ダメだ!

 また無傷だ!

 乾燥もしていない!


 あいつ、強くなりすぎだろ!!


 あの魔法は強くなった気がするだけじゃなかったのかよ!?


 それなのに、なんでこんなことになっているんだ!?


 クソッタレがっ!!

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