第507話 報酬は?

 他には、食堂、調理場、広いリビングのような部屋、広い浴室、大きな天蓋付きのベッドが置いてある部屋、広いトイレがあった。


「これでここをひと通り回ったかな」


「そうみたいッスね」


「では、ヒモノさん、庭とダンスホールとプールとあばら家とトランポリンと浴室と寝室で、雌たちと生殖活動をしましょうでございます!!」


「そんなにできるわけないだろ!?」


「なんて不潔な! イリーセさん、やってしまってください!!」


「了解でござんす!!」


「「あああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」


 顔面に臭い汁の塊をぶつけられた。



「なんかお腹減ってきたキュ!」


「何か食べたいでゴザル!」


「わたくしの電球が、調理場に食料があると言っているのです」


「それ食べても良いのか?」


「はい、構わないのです」


「リリィお姉さん、美味しいもの作ってキュ!」


「分かりましたよ」


 この日は、食事をして、風呂にのんびり浸かって、ゆっくり寝た。



 次の日。


「ヒモノさん、リコラールルさんたちが来たのです」


「そうなのか。なら、リビングで話を聞こうか」


「ええ、そうしましょうッピ」



 リコラールルさんたちをリビングに通した。


「リコラールル、どうだったでナンス!?」


「宮殿はもらえましたかでナス~!?」


「お前らまで来たのかよ」


 ベッドでずっと寝ていたのに。


「報酬が気になるでナンス!」


「ああ、そうかよ」



「それで、どうだったのでナンス!?」


「鑑定は成功しましたプ。そして、あのミョガガベが人を殺していたことは認められましたプ」


「ということは、報酬が出たのですかでナス~!?」


「はい、出ましたプ」


「それは何でナンス!?」


「宮殿はもらえたのですかでナス~!?」


「宮殿ではありませんプ」


「ええ~、なら、なんですかでナス~?」


「宿に五年くらい泊まれる権利とか、お金とかでナンス?」


「いいえ、違いますプ」


「じゃあ、なんなのでナンス?」


「それは、その……」


 なんだ?

 そんなに言いにくいものなのか?


「リコラールルさん、なんなのですかでナス~?」


「報酬は、わたくしたちですプ」


「えっ!? どういうことだ!?」


「わたくしたちが、ヒモノさんの妻になるということですプ」


「なんでそうなるんだよ!?」


「そうよッピ! ヒモノさんにはワタクシという正妻がいるのよッピ!!」

「何言ってんのニャ! 正妻はわらわでしょニャ!!」

「正妻は私でヤンス!」

「私が正妻ッスわ!」

「面白そうだから、お姉さんも正妻になるわ」

「では、ワタクシもなりますわ!」

「歓迎しますでございます、リコラールルさん、イレーロデさん、リューラーニさん! さあ、さっそく生殖活動をしましょうでございます!!」


「落ち着け、お前ら!?」


「服や体がまったく傷付かない剣山、すねにぶつかるスネーク、足の小指に激突するタンスをどうぞでござんす!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」



「それで、なんでそんな話になったんだよ?」


「ミョガガベを倒した一団の長が男性であるというを話したら、そうなってしまいましたプ」


「なんでそうなる!?」


「厄介払いでしょうかねプ。わたくしは微妙な立場ですしプ」


 ああ、そういえば、リコラールルさんは第一〇三王女だったんだっけ。



「これはヒモノが幸せにしてやらないといけないでげすぜ!」


「その通りでございます! さあ、ヒモノさん、すべての能力を使って、リコラールルさんたちを幸せにしてくださいでございます!!」


「親父殿、ここは大旋風の出番ですだぜ!」


「やってやろうだぜだぜ、親父!」


「また不潔なことを! イリーセさん、お願いします!!」


「了解でござんす!」


 イリーセさんにかき氷をぶつけられた。



「お金はもらえなかったのでナンス?」


「宮殿はもらえなかったのですかでナス~?」


「残念ながら、ありませんプ」


「ええ~、ケチすぎるでナンス!」

「ケチな王国ですねでナス~!」


「ええ、まったくですねプ! ケチでケチでケチで、腐敗が目立ち始めているダメダメダメダメな国ですねプ!!」


 ええ……

 自分の国をそこまで言っちゃうのかよ……



「というわけで、末永くよろしくお願いしますプ」


「よろしくお願いしますねロデ」

「よろしくお願いしますリュン」


「なんでイレーロデさんとリューラーニさんまで、妻になることになったんだよ!?」


「ついでじゃないですかねロデ?」


「扱いがひどすぎないか!?」


「あまり真面目に仕事をしていなかったから、私たちも厄介払いされたのかもしれませんロデ」


「ええ……」


 そんな理由なのかよ!?


「君らの人生、それで良いのか? 仕事を辞めれば良いのではないか?」


「ヒモノさんたちと一緒にいるのが楽しかったので、このまま妻になりますロデ」


「料理は美味しいですし、毎日清潔になれますし、良いこと尽くめですからねリュン」


「俺たち未開の領域を旅してるんだぞ? 良いこと尽くめじゃないだろ」


「王国で働いているよりは楽しいですよロデ!」


「ええ、まったくですねリュン! パワハラ上司がいませんからねリュン!!」


 ええ……

 ここにもそういうのがいるんだ……


 どこも仕事は大変なんだなぁ……

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