第485話 上空を通過するモザイク鳥類

 亀のような頭をした浅黒いヘビのようなものと、オレンジ色のカボチャのようなものが、大量に釣れた。


 ヘビのようなものは、長さ五〇センチ、太さ五センチくらいだ。


 カボチャのようなものは、幅三〇センチくらいある。


 どちらも食べることができそうな見た目だな。



「ヒモノさん、上がったわよッピ」


「魔剣ソソーダイジィコは、コロモが作っているわよニャ」


「ああ、分かったよ」



「たくさん釣れましたねプ」


「この長いのは『セイケ・ンキィトゥヘビ』ですねロデ」


「こっちの丸いのは『セイケ・ンウィンヤチボカ』ですねリュン。両方とも美味しいんですよリュン」


「へぇ、そうなのか」


 聖剣キィトゥヘビに聖剣ウィンヤチボカか。


 もしかして、またなのだろうか?


「美味しいなら、食べるしかないキュ!」


「では、料理しましょうか」


 リリィさんがチェーンソーで、セイケ・ンウィンヤチボカを真っ二つにした。


 表面はカボチャっぽくても、中は動物なんだな。



「社長、魔剣ソソーダイジィコが完成しましたよ! どうぞ!」


「ありがとう」


 コロモから、片側の先端にフランクフルトようなものが付いた金属製と思われる銀色の棒を受け取った。


 長さは一メートルくらいだ。


「前の魔剣と、少し形が違うな」


「ええ、そうねッピ」


「なんか卑猥ひわいな感じがする形ッスわ! ヒモノさん、イヤらしいッスわ!!」


「なんでそうなるんだよ!?」


 そんなことを考えているルヴィベールさんの方がイヤらしいっすわ!!



「これは使えるんだよな?」


「わたくしの電球が、問題なく使用できると言っているのです」


「そうか。良かった」


「ヒモノさん、妨害できるようにセッティングしておいた方が良いわよッピ」


「そうだな」


 人が突然、血を噴き出して倒れる能力を思い浮かべた。


 これで、いつ能力を使われても、問題ないはずだ。

 多分。



「皆さん、できましたよ」


 リリィさんが調理台に皿を並べた。


 そこには、牛肉のサイコロステーキのようなものが盛り付けられていた。


 では、食べてみるか。


 いただきます。


 味も食感も牛肉だな。

 とても美味しい。



「ごちそうさま、リリィさん。美味しかったよ」


「お粗末様でした」


「ステーさん、新しい特殊能力は身に付いたか?」


「いや、身に付いてないぞとげぇ」


「そうなのか」


 あれ?

 また新しい聖剣が出るようになると思ったのに、出なかったな。


 ちょっと残念だなぁ。


 まあ、いいか。



「そういえば、ここには地球に帰れそうな場所はあるか?」


「残念ながら、なさそうなのです」


「そうか」


 またか……



「さて、そろそろ行こうか」


「ええ、そうしましょうプ」


「では、案内を頼むよ、ケイカさん、チカさん」


「うむ、任せておくのである」

「分かったのです」


 俺たちは鳥類になり、飛び立った。



 おっ、あれはいつものイール・カオジ・サーンだな。


 他の連中もいる。


 どこの海にもいるなぁ。


 まあ、どうでもいいけど。



「この方向に、真っ直ぐ進むんですかロデ?」


「はい、その通りなのです」


「ということは、サコトワーツ王国に向かっているようですねロデ」


「ほう、そうなのか」


 まさか強力なミョガガベに襲われていたりとかしないよな?


 いや、そういうことは考えないようにしよう。



 おっ、大陸が見えてきたぞ。


 おや?

 前方に町のようなものがあるぞ。


「あれは港町の『ヤマウンテン』ですねロデ」


 山、マウンテン?

 港町っぽくない名前だなぁ。


 まあ、どうでもいいけどな。


「この格好で近付いたら、ミョガガベと間違われて、攻撃されてしまうんじゃないですかリュン?」


「あーしたちは鳥類ッスよ!? そんなこと起こるわけないッスよ!!」


 いや、残念ながら、その可能性は大いにあり得るな。


「念のために、モザイクをかけておくであります」


 俺たちはモザイクをかけられた。


「これはなんですかプ?」


「『目立たないモザイクで包む能力』であります。名前通り、目立たなくなるであります」


「そうなのですかプ」


「いろんな能力があるんですねリュン」



「マモリ、なんでモザイクをかけるッスか!? あーしたちはどう見ても鳥類なのだから、こんなもの必要ないッスよ!!」


「念のためでありますよ!」


「落ち着いてくれ、トーリさん!」


 トーリさんをなんとかなだめた。



 ヤマウンテンの上空を通過した。


 レンガっぽいもので造られた建物が並んでいる、西洋風のキレイな町だったな。


「ヤマウンテンは平和そうでしたねロデ」


「ミョガガベに襲われてなくて良かったですリュン」


「ええ、そうですねプ」


 まったくだな。



 この大陸にも草原、森、川、天井とつながっている壁、小さな山があるんだな。


 今までの場所と変わらないなぁ。



 前方に農村みたいなところが見えてきた。


 そして、上空を通過した。


「さっきの農村も平和そうな感じだったな」


「はい、襲われているような感じはしませんでしたねプ」


「ミョガガベの被害は、あまり出ていないんでしょうかねロデ?」


「そうだと良いのですけどねプ」



 前方に西洋風の立派な城壁が見えてきた。


「あそこがサコトワーツ王国の王都ですよロデ」


「そうなんだ。立派な城壁だな」



 王都の上空を通過した。


「あそこも平和そうだったな」


「そうですねリュン」


「壊滅していなくて良かったですロデ」


「そうだな」


 これって……


 魔剣を作った意味はあるのだろうか?

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