第456話 こうかこうかくるい

「これは…… 数が多いだけだねオトリッ」

「簡単に避けられるねオトリッ」

「がんばっている割には、成果出てないよねオトリッ」

「無駄だから、やめたらオトリッ?」


 白く輝く球体たちが、大量に飛んで来る硬貨のようなものを避けながら、挑発している。


 かなりの速度で飛んで来ているのに、すごいな。



「幸福エビフ~、幸福エビフ~、幸福エビフ~……」

「幸福カニフ~、幸福カニフ~、幸福カニフ~……」


 エビみたいな生物が描かれた半袖のTシャツと、カニのようなものが描かれた覆面が、いきなり大声で歌い出した。


 さらに、全身が美しい山吹色に光り出した。


「なんだあれは?」


「もしかして、大声で歌って、悪口が聞こえないようにしているのニャ?」


「わたくしの電球が、その可能性が高いと言っているのです」


「なら、光っているのは、なぜなんだ?」


「そこは不明なのです」


「そうか」


 あれは何か意味があるのかな?


 まあ、どうでもいいか。



「大声で歌う…… 美しく光る…… こ、これはまさかアレざますか!?」


「なんだよ、ユモア?」


「これは『高歌こうか』と『光華こうか』をする『高価こうか』な『甲殻類こうかくるい』の絵という高度なダジャレざます!!」


「そんなわけないだろ!? いちいちくだらないことを言わなくていいっての!?」



 突然、白く輝く球体たちが消えてしまった。


「魔法の効果が切れたか」


「うむ、そのようだゾヨ」


「結局、硬貨のようなものを撃ってくるだけだったわねッピ」


「あれなら、私のモザイクで防御しながら、攻撃すれば倒せそうでありますね!」


「そうですわね! ヒモノ様、今すぐ攻めましょう!!」


「そうだな」


「ええ~、もっとのんびりしたいでナンス!」


「そうですよでナス~。もっと休んでいきましょうよでナス~」


「ヒモノさん、働きすぎはいけませんよトーラ」


「そんなに働いてないだろ!」


「せめて、杖ちゃんのMPを回復させてから行くべきでナンス」


「万全な状態で、戦いに臨んだ方が良いですよでナス~」


「そこだけは、一理あるかもしれないわねッピ」


「仕方ないなぁ、しばらく休憩にしよう」


「うむ、では、余は寝るゾヨ」


「ああ、お休み、杖ちゃん」


「これでのんびりできるでナンス」


「一週間くらい、のんびりしましょうでナス~」


「そんなにのんびりしてられるかっての!」



「ヒモノ隊長、私に良い案があるであるます!」


「なんだ、マオン?」


「あいつらを私の風魔法でぶっ飛ばして倒すであるます!!」


「ああ、確かにあいつらなら吹っ飛ばせそうだな。よし、やってみようか」


「了解であるます! ああ、また魔法をぶっ放せるであるます…… ふひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ……」


 うれしそうだなぁ。



「おはようゾヨ」


「おはよう、杖ちゃん。MPは回復したか?」


「うむ、しているゾヨ」


「では、出発するか」


「ええ~、もうちょっとのんびりしていこうよでナンス」


「そうですよでナス~」


「やかましいぞ。さっさとマッサージチェアーを片付けろ」


「「ええ~」」


「早くやれっての!」



「ヒモノさん、わたくしの電球が、魔法を撃つのは、このあたりが良いと言っているのです」


「分かったよ。では、マオン、頼むぞ」


「了解であるます! くらいやがれであるます!!」


 前方に強風が発生した。



「ヒモノ隊長、MPがなくなったであるます! スッキリしたであるます!!」


「ああ、お疲れさん、良かったな。さて、どうなったかな?」


「両方とも、吹っ飛ばされて、後ろの壁に激突したッス」


「そ、それは『布団ふとん』が『だ』という超王道ダジャレざますね!!」


「何言ってんだよ!? あれはTシャツと覆面だろ!?」


「がんばれば布団にもできるざます! 細かいことは気にするなざます!!」


「細かくないし、がんばらせるな! Tシャツと覆面として、使用しろ!!」



「それで、今はどうなっているんだ?」


「地面に落下して、動かないッスね」


「倒したのでヤンス?」


「わたくしの電球が、気絶しているだけだと言っているのです」


「なら、すぐにとどめを刺しに行きましょうッピ」


「ああ、行こう」



 上り階段の近くにやって来た。


 そこには、全長六〇メートルくらいありそうなTシャツと覆面が、地面に落ちていた。


 よし、とどめを刺すか!


「「ブミィィィイィイイィィイイィィィイィィイイィィイィィィッ!!!!!」」


 Tシャツと覆面を聖剣でぶん殴った。



「これで倒したかな?」


「はい、倒したのです」


「そうか。良かった」


「さっそく食べるキュ!」

「そうするでゴザル!!」


「では、料理しますね」


 リリィさんがチェーンソーで、Tシャツを切り始めた。


 いったい何ができるのだろうな?



「社長、ステータスウィンドウせんべいとエクスレトがありましたよ。どうぞ」


「ありがとう、コロモ」


 ステータスウィンドウせんべいを見てみた。


 レベル二兆千億。

 ステータスは素早さが高めで、防御力が低めだな。


 特殊能力は『空を飛べる能力』『硬貨を出す能力』『硬化する能力』『光華する能力』か。


 いろいろあるなぁ。


 もう一枚も同じ内容だな。


 あいつらは同じ能力なのか。



 エクスレトは俺がもらうか。


 エクスレトを取り込んだ。

 レベルは上がらなかったようだ。



「ふむ、なるほど、あいつらは『硬化こうか』することができる『高価こうか』な『甲殻類こうかくるい』の絵でもあったざますか! 実に高度なダジャレざますね!!」


「わざわざ言わなくていいっての!!」

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