第434話 砂の中にサファイアっぽい……

 俺たちは海を渡り『オヴノワラーヌ大陸』にやって来た。


 周囲にあるのは、海、砂浜、それと砂だな。


 ここは砂漠地帯がある大陸なのか。


「ヒモノさん、わたくしの電球が、あそこに何かが埋まっていると言っているのです」


 チカさんが砂漠を指差しながら、そう言った。


「砂の中にか?」


「何があるんでしょうねッピ?」


「掘ってみるか」


「社長、ここは私と製作の妖精にお任せください!」


「そうか? じゃあ、頼むよ、コロモ」


「はい! よし、いくぞ、テメェら!!」


「「「分かりました、係長!!」」」


 コロモと製作の妖精たちが砂を掘り始めた。



「社長、係長、何かありましたよ」


 製作の妖精たちが、砂で作られているように見える棒を持って来た。


 長さ一メートルくらい。

 先端に、砂色のアフロヘアーのような毛玉が付いている。


 あれはもしや……


「おおっ、最近また妻が増えたドスケベド変態ドスケベ浮気野郎のヒモノよ。よくぞ見つけたざます! それはレインボーアフロッドざます!」


「うるさいぞ、ユモア! ドスケベを二回も言わなくていいっての!!」


「実際ドスケベだから問題ないざます!」


「やかましい!」


「ドスケベで不潔なヒモノさんは、洗浄しておきましょうか」


「服や体がまったく傷付かないハサミを持った生物、すねにぶつかるスネーク、超激しい腰痛もおまけしておくでござんす」


「ええっ!? ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


 ぬるま湯をぶっかけられた後、鼻と頬をザリガニクワガタに挟まれ、両すねに何かをぶつけられ、いきなり腰が激しく痛み出した。


 ひどすぎるだろ!?



「それで、あれはなんというアフロッドなんだ?」


「『サンドアフロッド』ざます」


「砂で作られているのか?」


「違うざます。そういう模様なだけざます」


「そうなのか」



「ユモアは出て来れるようになったか?」


「まだ無理ざますね」


「そうか」


「ただ、今のヒモノなら、私ちゃんを一年に一回、一二分だけ呼び出すことができそうざますよ!!」


「二分伸びたのか」


「修行の成果が出たざますね! おめでとうざます!!」


「微妙だなぁ……」


 まあ、いいか。



「社長、係長、また何かありましたよ」


 製作の妖精たちが、サファイアで作られているように見える、給水タンクの付いた洋式大便器のようなものを持って来た。


「なんだこれは? 派手なトイレなのか?」


「使いにくそうでヤンス」


「そうだな」


「そのようなことはないレイト」


「ん? 誰か何か言ったか?」


「いいえ、何も言ってないわよッピ」

「あーしもッスよ」

「私もですよマチ」


「なら、気のせいか?」


「いいえ、違うのです! わたくしの電球が、そのトイレのようなものがしゃべったと言っているのです!」


「えっ? これが?」


「我はトイレではないレイト」


「本当に、このトイレから声が聞こえてきたでヤンス!」


「だから、トイレではないと言っているだろうがレイト!」


「じゃあ、なんなのキュ?」


「もしかして、ミョガガベなのニャ!?」


「それも違うレイト。我は『ブゥリ・テアレイトーラ』だレイト」


「なんだそれは?」


「『ブゥリ』は『青色』『テアレイトーラ』は『漏れそうな者を救う』という意味があるレイト」


「それ、やっぱりトイレなんじゃないのニャ?」


「トイレではないレイト!!」


「では、なんなんだ?」


「平たく言えば、正義の味方だレイト」


「ほう、我らと同じであるな」


「あなたたちも正義の味方だったのかレイト?」


「その通りである。我らは善なる存在なのである」


「そうであったかレイト」



「その正義の味方が、なんで砂に埋まってたのでヤンス?」


「それは分からないレイト。我は神殿に安置されていたはずなのだがなレイト」


「何が起こったのか見てなかったのか?」


「うむ、悪がいなかったため、眠りに就いていたのだレイト」


「埋められたのに、起きなかったのキュ?」


「うむ、恥ずかしながらなレイト」


 どれだけ深く寝てたんだよ。


 それはそれですごいな。



「お主はこれからどうするのであるか?」


「特に目的はないレイト」


「ならば、我らとともに、悪を討ちに行くのである!」


「な、なんだと、悪がいるのかレイト!?」


「うむ、その通りなのである!」


「良かろうレイト! 我もあなたたちとともに行こうレイト!」


「ありがとうである!」


 ええ……

 妙なものが仲間になったなぁ……



「では、自己紹介をするのである」


 俺たちは自己紹介をした。


「お主のことは、なんと呼んだら良いのであるか?」


「では『ブゥリちゃん』と呼んでくれレイト」


 ええっ!?

 なんでちゃん付けなんだよ!?


 まあ、どうでもいいけどな!



「ブゥリちゃんは、どんなことができるんだ?」


「装着することができるレイト」


「装着? どういうことだ?」


「我を身に着けることができるということだレイト」


「身に着ける!? どうやってだよ!?」


「では、試しに装着させてやろうレイト」


「ええっ!?」


 いきなりブゥリちゃんが分離し、便器、便座、便器の蓋、給水タンクに別れた。


 そして、便器が逆さまになり、穴の部分が俺の頭にはまった。


 便座は、俺の右腕にくっ付いた。


 便器の蓋は、左腕にくっ付いた。


 給水タンクは、背中にくっ付いた。


 な、なんじゃこりゃぁっ!?

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