第433話 新たな秘技
「では、ソークハクができ上がるまで、ここで休もうか」
「そうッスね」
「ええ~、宿で休みたいでナンス」
「この大陸に、休めそうな場所はありませんかでナス~?」
「わたくしの電球が、どこも帝都のようになっているからないと言っているのです」
「そうなのか……」
「ええ~、じゃあ、ヒモノ、代わりに、ここに豪邸を建ててよでナンス!」
「愛する妻のために、よろしくお願いしますねでナス~!」
「無茶言うなっての! 大人しくテントで寝てろ!!」
「「ええ~」」
「やかましいぞ!」
おや?
リリィさんが赤レンガのような色をした大きなダンボール箱に、何かを入れているぞ。
「リリィさん、何をしているんだ?」
「先程釣れたものを、乾燥させています」
「そうなのか」
あれは食品乾燥機なのか。
「ヒモノさん、敵が来るのです!」
チカさんが指差しながら、そう言った。
その方向から、人間の足が生えた大きなアサリとホタテのようなヤツが、多数向かって来ていた。
あれは帝都で会ったヤツらだな。
この大陸にもいるのか。
「あの『
「それ、前にも聞いたっての!!」
「ヒモノ様、ここはワタクシにお任せください! 試してみたいことがあります!!」
「そうか? じゃあ、頼むよ、ルメーセ」
「はい、では、参りますわ! 秘技『洗濯される水着』ですわ!!」
ルメーセがそう言った直後、アサリとホタテのようなヤツらの全身に、水色の
そして、少し浮き上がり、すさまじい勢いで横に回転し始めた。
あれが洗濯なのか?
あれでは洗濯物が切れるんじゃないか?
回転が止まった。
「目が回るデカアサッ……」
「気持ち悪いデカホタッ……」
アサリとホタテのようなヤツらは、動けなくなったようだな。
「ヒモノ様、とどめをお願いしますわ!」
「ああ、いけ、聖剣!」
「「「ブミィィイイイィィィィイィィイイィィィィィィィィィッ!!!!!」」」
アサリとホタテのようなヤツらを倒した。
「ルメーセ、今の秘技はなんなんだ?」
「あれは『水着の書』を読んで、思い付いたものですわ」
「そうだったのか」
あれには、洗濯の方法も載っていたのかな?
「この敵も乾物にしましょうか」
「ああ、頼むよ、リリィさん」
リリィさんがチェーンソーで、アサリとホタテのようなヤツらを切り始めた。
「ヒモノ、ユモア、今回もできたでござんすよ!」
「えっ? 何がだ、イリーセさん?」
「『感情を抑えることができそうなものを出す能力』の新しいバリエーションでござんす! デスーヤの能力を見て思い付いたでござんす!!」
「ええっ!? またなのか!? もういらないって!?」
「いいや、新しいものは必要ざます!」
「その通りでござんす!」
「ええ……」
「それで、なんというものざますか?」
「名付けて『服や体がまったく傷付かない溶けた熱々ロウソク』でござんす!!」
溶けたロウソク!?
「では、さっそくヒモノで試すでござんす!」
「また!? もうやめてくれよ!?」
「問答無用でござんす!!」
「あっつぅぅぅぅぅっ!!!!!」
突然、頭頂部に熱い何かが当たった。
「ふむ、ちょっと地味ざますね。全身にかけてみたら、どうざますか?」
「なるほどでござんす。やってみるでござんす」
「ええっ!? やめてくれよ!?」
「問答無用でござんす!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
上から熱い何かが降って来た。
「今のは良かったざますよ」
「ありがとうでござんす」
「ちっとも良くないっての!!」
暗くなってきたな。
そろそろ寝るか。
テントに入って、就寝した。
次の日の昼。
「皆さん、ソークハクができましたよ」
「やったキュ!!」
「さっそく食べるでゴザル!!」
「はい、どうぞ」
リリィさんが調理台に皿を並べた。
「これがソークハクなのキュ!?」
「そうですよ」
皿の上には、直径一〇センチくらいの丸いパンのようなものが三つ置いてあった。
「材料を煮込むとか、言ってなかったか?」
「はい、煮込んだら、こうなりました」
「そうなのか」
なんであの材料を煮たら、パンになるんだ?
世界には不思議がいっぱいだなぁ。
では、食べてみるか。
いただきます。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!
さまざまなうま味が、口いっぱいに広がってくる!!
これはうまい!!
驚異的なうまさだな!!!
食感はモチモチしている!
食べ応えがあって良いな!!
さすがは天才料理人サマさまサマの考えた最強の料理だな!!
「美味しいキュ!!」
「うまいでゴザル!!」
「こっ、これっ、美味しすぎるわルレ!」
「ああ、本当に生きてて良かったクテェ……」
他のみんなにも好評みたいだ。
ん?
スーツを着たスキンヘッドのおっさんが「うめぇぇぇっ!!!」と叫びながらサンドバッグを殴りまくっていたら、いきなりサンドバッグから人の手が生えてきて殴り返されて爆発する映像が頭をよぎったぞ。
「今のは、ユモアの映像か?」
「その通りざます! その料理の美味しさを表現してみたざます!!」
「意味が分からなさすぎるぞ!」
「考えるな、感じろざます!!」
「あんなのから何を感じろと言うんだよ!? 訳の分からんことを言うなっての!!」
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