第426話 俺たちはモザイク?

 広大な森の上空にやって来た。


「ここに『スネェクゥガ・エール』がいるのか?」


「わたくしの電球が、いると言っているのです」


「むっ、他にも食べられるものがたくさんあるみたいでゴザル!」


「なら、採りに行くしかないキュ! マモリお姉さん、モザイクかけてキュ!」


「了解であります」


 俺たちの全身にモザイクがかかった。


「これで勝ったも同然キュ!」


「突撃でゴザル!」


「はいはい、分かったよ」



 俺たちは森に入った。


 当たり前だが、さまざまな植物が生い茂っているな。


「ここに、あのスネェクゥガ・エールがいるのねチセ……」


「大丈夫なのかなジナ?」


「ヒモノたちに任せておけば大丈夫でナンス!」


「スネェクゥガ・エールなんて、ヒモノが手早く倒してくれるでげすぜ」


「私たちはのんびり見学していましょうでナス~」


 気楽に言ってくれるなぁ……



「むむっ、これは食べられるでゴザル!」


「採るしかないキュ!」


 プリーディさんとキュキュが、青ネギのような植物を引き抜いた。


 あっちも気楽だなぁ。


 というか、油断しすぎじゃないか?



「これも食べられるでゴザル!」


 プリーディさんが真っ赤なシイタケのようなキノコを採取した。


 ん?

 傘の部分に『どく』と紫色で書いてあるように見えるぞ。


 妙な模様のキノコだな。


「あれは『どく』と書いてあるように見える『独特どくとく』なキノコという高度なダジャレざます!!」


「どう考えても、低度なダジャレだっての!!」



 食べられる植物を採取しながら、奥へと進んだ。


「ヒモノさん、わたくしの電球が、スネェクゥガ・エールが来ると言っているのです!」


 チカさんが前方にある茂みを指差した。


 そこから、背中に鶏が乗っているイノシシが現れた。


 イノシシの体高は一メートルくらい、鶏は五〇センチくらいだ。



「変なのがいるスネガ!? なんなの、あれはスネガ!?」


 スネェクゥガ・エールが、そう言った。


「モザイクであります!」


「モザイクスネガ!? モザイクって、なんなのスネガ!?」


「私たちがモザイクであります!」


「そうだったんだスネガ」


 ええっ!?

 俺たちはモザイクだったのか!?


 まあ、そんなのどうでもいいか!!



「モザイクさんたちは、何をしているのスネガ?」


「えっ? それは……」


 スネェクゥガ・エールの側面に回り込んでいたプリーディさんが、スネェクゥガ・エールのイノシシの頭部を蹴り付けた。


 スネェクゥガ・エールは木に激突して、動かなくなった。



「これが答えでゴザル!!」


「倒したかな?」


「エクスレトがあるから、倒したでゴザル!」


 プリーディさんがエクスレトを取り込んだ。


「むむっ、レベルが上がったゴザル!」


「そうか。そいつはめでたいな。おめでとう」


「ありがとうでゴザル!」



 スネェクゥガ・エールを頭に収納した。


 ステータスウィンドウせんべいを発見したので、見てみた。


 レベルは一兆か。

 ステータスは攻撃力と素早さが高い。


 特殊能力は『すねに当たると激痛が走るひもを出す能力』か。


 あの蛇みたいなものは、ひもだったのか。



「倒したのなら、帰りましょうよチセ……」


「一匹では食い足りないでゴザル!」


「ソークハク用と、今日お腹いっぱい食べる用をるまで帰らないキュ!!」


「ええ…… それって、何匹なのジナ?」


「いっぱいキュ!」


「まだまだ帰れそうにないのねチセ……」


「さあ、行くでゴザル!」


「はいはい、分かったよ。それじゃあ、行こうか」



 また茂みからスネェクゥガ・エールが出て来た。


「な、なんだあの変なのはスネガ!? とりあえず、撃っておこうスネガ!!」


 スネェクゥガ・エールの周囲に、茶色いヘビのようなものが多数出現した。


 そして、それらがいっせいに飛んで来た。


 避け切れず、すねのあたりに命中してしまった。


「……ん? 痛くないな」


「私も痛くないわジナ!」


「さすがはマモリ様のモザイクですわね! 素晴らしいですわ!」


「お褒めいただき光栄であります!」


「おい、おっさん、さっさと倒そうぜ!」


「そうだな!」


 聖剣でスネェクゥガ・エールを攻撃した。


「ブミィィイイイィィィイィィイイィィィイィィィッ!!!!!」


 スネェクゥガ・エールを倒した。


 そして、頭に収納した。



「では、次の獲物を探しに行こうか」


「え~、歩くの疲れたでナンス」


「ちょっと休みましょうよでナス~」


「まだ全然狩れてないからダメでゴザル!」


「早く行くキュ!」


「え~、もっと楽に狩る方法はないのでナンス?」


「ヒモノさん、何か考えてくださいよでナス~」


「そんな都合の良いものあるわけないだろ」


「いや、あるオタ!」


「えっ? それはなんだ、オヴァーンサ?」


「自分の『すごく食べたくなる能力』と『食欲をそそる香りを出す能力』を使えば良いオタ」


「なるほど、そのふたつで誘き寄せるわけか」


「名案でナンス!」


「それなら、私たちはのんびりしていられますねでナス~!」


「ヒモノ、やってみようでナンス!」


「でも、その能力って、ワタクシたちにも効果があるんだったわよねッピ?」


「そういえば、そうだったな」


「それなら、問題ないでござんす。ちょっとモザイクを消して欲しいでござんす」


「了解であります」


 俺たちにかかっていたモザイクが消えた。


「何をするんだ、イリーセさん?」


「こうするでござんす」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 ザリガニクワガタが、みんなを挟んだ。


「いきなり何するのでヤンス!?」


「この状態なら、その能力にはかからないでござんす」


「ああ、そういうことなのか」


「それなら、安心オタ。それじゃあ、始めるオタ」


 オヴァーンサから甘い香りが漂ってきた。


 ん?

 なんか見落としているような気がするなぁ……


 なんだろう?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る