第423話 最強の料理?

「むむむっ、これにも食べ物のことが書いてありそうでゴザル!!」


「なんという本なんだ?」


「『ボクちゃんサマさまサマがカンガえたサイキョウのリョウリ』というタイトルでゴザル!!」


 なんじゃそりゃぁっ!?

 誰だよ、ボクちゃんサマさまサマって!?

 まったく期待できないタイトルだな!?


「さっそく読んでみるキュ!」


「そうするでゴザル!」


 プリーディさんが本を読み始めた。



「うまそうなものが書いてあるでゴザル!」


「何それキュ!?」


「『ソービーストビヨンド・クエイククライシス・ハザードパラドックス・クリムゾンクレイジー』という料理でゴザル!」


 名前長っ!?

 なんじゃそりゃぁっ!?


「長すぎて、覚えられないキュ!」


「略して『ソークハク』だそうでゴザル!」


「そっちは短くて覚えやすいキュ!」


 即吐く!?

 すさまじくマズそうな略称だな!?



「これを食べてみたいでゴザル!」


「作り方は書いてないのキュ?」


「あるでゴザル。ただ、材料を集める必要があるでゴザル」


「材料キュ? それはなんなのキュ?」


「『スネェクゥガ・エール』『ジークメナァ』『デスーヤ』というミョガガベと『パスどん』『塩』『水』『好きな野菜』だそうでゴザル」


「そいつらは、どこにいるのキュ?」


「ここには書いてないでゴザル」


「なら、マチエーザたちに聞いてみようか」


「そうするキュ!」



「ジ、ジークメナァに、デスーヤですかマチ!?」


「知っているのか、マチエーザ?」


「はい、どちらも、とても強力で、美味しいミョガガベとして有名ですマチ」


「全部そういうミョガガベなのか……」


「なんでそんなことを聞くのチセ?」


「ソークハクを食べるためでゴザル!」


「ソ、ソークハクをジナ!?」


「それも有名なのか?」


「ええ、超高級料理として、有名なのよジナ!」


「ものすごく美味しいらしいわよチセ!」


 即吐くなのに、美味しいのかよ!?



「あれ? それは天才料理人『スゥゴー・イリョーリ』の本ねジナ」


 ジナクーロがプリーディさんの持っている本を指差しながら、そう言った。


 ええっ!?

 ボクちゃんサマさまサマって、天才料理人だったのかよ!?


 まったく期待できないタイトルだと思って、申し訳ありませんでした!!



「そのミョガガベたちは、どこにいるのキュ?」


「隣の大陸にいるらしいわよジナ」


「どんな攻撃をしてくるか知ってるか?」


「そこまでは知らないわチセ」


「そうなのか」


「なら、書いてある本を探してみるでゴザル!」


「そうだな」



「ところで、パスどんというのは、なんなんだ?」


「『メコギム』という植物の果実を、細長く加工したものですマチ」


「それはどこにあるんだ?」


「以前は、食料品店で売られていましたよマチ。ですが、今は手に入るかは分かりませんねマチ」


「どこかに生えてないのキュ?」


「農村部で作られていましたが、今はどうなっているのでしょうねマチ?」


「そうなのか。まあ、とりあえず、探してみるか」



「ヒモノさん、探し終えたわよッピ」


「それじゃあ、少し休憩したら、他の場所に行こうか」


「ヒモノさん、そろそろ暗くなってくるのです」


「もうそんな時間か。なら、今日はここまでにしよう」


「では、テントを張りますね」


「わたしは夕食を作りましょうか」


「ああ、頼むよ、コロモ、リリィさん」


「では、ヒモノさんは雌たちと……」

「言わせません! 洗浄します!!」


「服や体がまったく傷付かない鼻フックと、足の小指に激突するタンスもどうぞでござんす!!」


「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」


 ぬるま湯をぶっかけられた後、鼻の両穴を思いっ切り上に引っ張られ、両足の小指に何かをぶつけられた。



 さて、俺は何をしようかな?


 おや?

 マチエーザたちが敷物の上に、本を並べているぞ。


 どうやら手に入れた本を読もうとしているみたいだな。


 せっかくだし、俺も何か読もうかな?



 うーむ、大量にあるなぁ……


 どれにしようか?


 おっ、これは!


 『ジークメナァ攻略本』というタイトルの本を発見した。


 これを読んでみるか。



 うわぁ……


 『ジークメナァは、恐ろしく強力なミョガガベである。生息地には近付かない方が良い』と書いてあるぞ!?


 そんなにヤバいヤツなのかよ!?



 周囲にいる者たちの腰に激痛を走らせる特殊能力を使用し、動けなくなったところを攻撃してくるのか。


 これ、前にもやられた覚えがあるな。


 いや、あの時は、自身の腰の痛みを他者に伝えるだけだったから、厳密には違うものなのかな?


 まあ、なんにしろ厄介なヤツだな。



 おっ、ジークメナァの写真が載っているぞ。


 これは、筋骨隆々な人の腹部に見えるな。


 もしかして、前に戦ったミョガガベの上位種なのかな?



 生息地は『ラダエワコゾ大陸』の森の中なのか。


 隣の大陸は、そんな名前なんだ。



 倒し方は書いてないのかな?


 おっ、あった。


 特殊能力を使われる前に仕留めろか。


 他にはないのか?


 ……これだけしか書いてないのかよ!?


 役に立たない攻略本だな!?



「皆さん、夕食ができましたよ」


「分かったよ、リリィさん」


 みんなで夕食を取った。


 そして、洗浄してもらい、就寝した。



 次の日。


 帝都内をひと回りして、物資を拾い集めた。


「食料以外は、十分に集まったな」


「ええ、そうねッピ。食料はどうしましょうかッピ?」


「とりあえず、農村部に行ってみようか?」


「ええ、そうしましょうチセ」


「では、出発しよう」


 俺たちは鳥類になり、飛び立った。

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