第310話 潜在しているといったら……

「ステーさん、他に何かあるか?」


「後は、ステータス令嬢をふたり出せるようになったようだ」


「おおっ、そうなのか! 潜在能力が引き出されたからなのか!?」


「わたくしの電球が、その通りだと言っているのです」


「やはりそうだったのか!」



「また女性が増えるのねッピ」


「いくらなんでも増えすぎでヤンス」


「もうここまで来ると、あきれるしかないわねニャ」


「ヒモノさんの浮気者ッスわ」


「戦力が向上するのは、良いことだろ!?」



「それで、今度は誰を出すのッピ?」


「そうだなぁ。誰にしようか? 何か足りないと思うところはあるか?」


「雌の数がまだまだ足りませんでございます! ここはモテ力のステータス令嬢を出しましょうでございます!」


「そこはもう十分だろ!? 却下だ!!」


「何を言っているのでございますか!? 雌を一億人くらい確保しないとでございます!」


「多すぎぃぃぃっ!? 国を作る気なのか!?」


「それも良いでげすぜ!」


「何言ってんだよ!?」


「さすがハーレム王、スケールが大きいでロロ~!」


「実に芸術的ねでアメ~! メモしなきゃねでアメ~!」


「そんなのメモしなくて良いっての!」


「また不潔なことを言っているようですね! 洗浄します!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!」」」


 セレンさんにぬるま湯をぶっかけられた。


 ああ、なんて理不尽なんだ……



「ヒモノに足りないもの、それは家でナンス! 家を出せるヤツを呼ぶでナンス!」


「何言ってんだ!? 旅をしているのに、家なんて建てても仕方ないだろ!?」


「それなら、移動する家が欲しいですでナス~!」


「なんだそれは!? そんなの出せるヤツいるのか!?」


「そもそもどんな令嬢がいるんだっけニャ?」


「メモを見てみようか」


 頭からメモを取り出した。



「ふむ、ここは魅力とモテ力が良いでしょうでございます。このふたりがいれば、生殖活動の相手を探しやすくなりますでございます」


「却下だ!」


「邪魔者は、人に投げ付ける用のパイで黙らせておくでござんす」


「ふぎゅっ!?」


 セイカさんは顔面にパイをくらって倒れた。



「うーん、移動する家を出せるようなヤツはいなさそうでナンス」


「それはそうだろうなぁ」


「想像力のステータス令嬢はどうでしょうでナス~? 移動する家を出せるかもしれませんよでナス~」


「想像したものが出て来る能力があるとでも言いたいのか? そんなまさか……」


 そんなことができたら、そいつは神なんじゃないか?


「わたくしの電球が、そいつにそんな能力はなさそうだと言っているのです」


「そうか。まあ、当然だろうな」


「残念でナンス」



「では、誰にするでヤンス?」


「そうだなぁ。どうしようか?」


「すぐに決める必要はないんじゃないのッピ?」


「それもそうだな。今日一日ゆっくり考えようか」


「それが良いッスね」



「ステーさん、他に身に付けた能力はあるのか?」


「いいや、もうないぞ」


「そうか。他のみんなはどうだ? 何か身に付けたか?」


「『微弱な愛の聖水耐性』という特殊能力が身に付いたわッピ」

わらわも、それを身に付けたわニャ」

「私もでヤンス」


 どうやら女性全員が、この能力を身に付けたようだ。


「それはどういう能力なんだ?」


「名前通り、少しだけ愛の聖水への耐性ができたらしいわッピ」


「そうなのか」


 なら、もう飲んでも問題ないのかな?



「他には何かあるか?」


「もうないッスよ」

「お姉さんもないわよ」

「私もッスわ」

「私もヨン……」


 もうないようだな。



「それじゃあ、部屋に戻るか」


「ええ、そうしましょうッピ」


 俺たちは部屋に戻り、温泉に入った。


 そして、夕食を取り、就寝した。



 次の日の朝。


「うう、ヒ、ヒモノさんッピ……」


「どうしたんだ、メェールさん!?」


 なんだか苦しそうだぞ!?


「せ、聖水ッピ……」


「えっ?」


「愛の聖水が飲みたいッピ……」


「朝から何を言っているんだよ!?」


「なぜか分からないけど、無性に愛の聖水を飲みたいのッピ! お願い飲ませてッピ! なんでもするからッピ!」


「なんだそれは!? 依存症か!? 飲まない方が良いんじゃないか!?」


「そう言わず、飲ませてよッピ!!」


「やめとけって!」



「ヒモノ、愛の聖水を飲ませてニャ……」

「ヒモノさん、私にもでヤンス……」

「私にもお願いッスわ……」


 他の女性たちも愛の聖水を求めてやって来た。


 どうなってんだよ、これは!?


 みんな耐性を身に付けたのではなかったのか!?


 まさか機能していないのか!?


 どうすれば良いんだ!?


 あっ、そうだ!

 またイリーセさんに、どうにかしてもらおう!


「ヒ、ヒモノさん、清潔な聖水をください……」

「私様も聖水が欲しいでござんす……」


「お前らもかよ!? これはどうすれば良いんだ!?」


「ヒモノさん、皆さんに聖水を飲ませるのです……」


「えっ!? そんなことをして大丈夫なのかよ!?」


「『微弱な愛の聖水耐性』のおかげで、一度飲むと、しばらくの間は落ち着くのです……」


「そ、そうなのか? なら、飲ませてみるか」


 俺は愛の聖水を女性たちに飲ませた。


「ああ、美味しいわッピ。気分が落ち着いたわッピ」

「お姉さんも落ち着いたわ」

「ワタクシの攻めた気分も収まりましたわ」


 他の女性たちも落ち着いたようだ。


 これでひと安心だな。

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