第266話 最強無双のハーレム王は芸術的?

「それで、そのふたりはなんなんだ? セイカさん、説明してくれ」


「はい、こちらのおふた方は、ワタクシの『生殖活動をしてくれそうな者を感知する能力』で見つけ出した方々ですでございます」


「ええっ!?」


 それに引っかかったの!?


 そんなヤツがいるとは思わなかったぞ!?


「ですので、事情を説明し、お連れしましたでございます」


「本当なのか、ルロロクマ、アメーサウ!?」


「その通りだでロロ~」

「ええ、間違いないわでアメ~」


「セイカさんから、何を聞いたんだよ!?」


「最強無双のハーレム王が、生殖活動をさせてくれる美しい雌を探していると聞いたでロロ~」


「なんでそんな怪しいヤツに付いて来るんだよ!?」


「面白そうだと思ったからよでアメ~」


「ええっ!?」


 理解できなさすぎるぞ!?


「どこが面白いんだよ!?」


「最強無双のハーレム王と名乗るところよでアメ~! 最高に芸術的だわでアメ~!!」


「はぁっ!? 芸術的!? どこが!?」


「全部芸術的だろでロロ~!」


「そうなのか!?」


 芸術がよく分からなくなってきた……



「ああ、この感動を記しておかなくてはでアメ~!」


「ロロ~さんも書いておくかでロロ~!」


 アメーサウとルロロクマがメモ帳のようなものに、何かを書き始めた。


「なんでそんなことをしているんだよ!?」


「アメ~さんは作家なのよでアメ~」


「そうなんだ」


「ええ、だから、こういう貴重な経験はメモすることにしているのよでアメ~」


「はぁ、そうなのか」


「そうよでアメ~。ああ、今日からアメ~さんはハーレム王の妻、熱く雄々しい生殖活動をするのねでアメ~」


「官能小説を書いているのか?」


「ええ、そうよでアメ~。後、絵も描けるから、アダルトな漫画も描くわでアメ~」


「そ、そうなのか……」


 それでちょっとアレな感じだったのか?



「ルロロクマは、なんでメモしているんだ?」


「ロロ~さんは作詞のためだでロロ~」


「作詞家なのか」


「作曲もするし、自分で歌ったり、楽器を演奏したりもするよでロロ~」


「へぇ、そうなんだ」


 音楽全般をやっているのか。


「ああ、ロロ~さんも今日からハーレム王の妻として、愛の音楽を奏でるのかでロロ~」


 ラブソングを作っているのかな?



「それで、アメ~さんたちはどうすれば良いのでアメ~? 服を脱げば良いのでアメ~?」


「さっそく生殖活動かでロロ~。情熱的だなでロロ~」


「落ち着け!? なんでそんなに乗り気なんだよ!?」


「ハーレム王の妻になれたら、最高の作品を書けると思ったからよでアメ~」

「ハーレム王の妻になれたら、最高の音楽を奏でられると思ったからだなでロロ~」


「そんな理由なのかよ!?」


 こいつらちょっとおかしくないか!?



「君らは、俺たちが何をやっているか、知っているのか?」


「ハーレム王だろでロロ~?」


「いや、そうじゃなくて、俺たちの目的だよ」


「ハーレム拡大のために、妻を集めているのでしょうでアメ~?」


「違うっての!?」


 俺、誤解されすぎだろ!?



「俺たちは旅をしているんだよ」


「ああ、ハーレム拡大のためにだろでロロ~?」


「違うんだって!」


「我々は悪を倒すために旅をしているのである!」


「そう! そうなんだよ!」


「そんなこともしていたのかでロロ~!?」


「そして、美女を助けて、ハーレムに加えているのねでアメ~!?」


「なんでそうなる!? ちょっとハーレムから離れろ!?」


 こいつらの頭には、ハーレムしかないのかよ!?


 変態だな!



「ええと、要するに、俺が言いたいのは、俺たちは危険な旅をしているから、君たちは付いて来ない方が良いということなんだよ。分かったか?」


「いや、だったら、なおさら付いて行くだろでロロ~」


「ええ、貴重な経験ができそうだからねでアメ~」


「何言ってんだよ!? 死ぬ可能性だってあるんだぞ!?」


「そんなのを恐れていては、良い音楽は作れないよでロロ~」


「良い作品も作れないわよでアメ~」


 こいつら、メンタル強いな!?



「本当に危険な場所に行くんだぞ。やめておけよ。町に帰れって」


「それはどこなんだでロロ~?」


「未開の領域だ」


「ああ、あそこかでロロ~! あんなところに行くなんて、さすがはハーレム王だなでロロ~!!」


「素晴らしい、貴重な経験ができそうねでアメ~! これは行くしかないわでアメ~!」


 ええ……



「君らは、身を守るすべを持っているのか?」


「ないなでロロ~!」

「ないわよでアメ~!」


「なんでそんなんで危険地帯に行こうとしているんだよ!?」


「芸術のためだなでロロ~!!」

「芸術のためよでアメ~!!」


 ええ……



「両親とか、友達とか、町に待っている人はいないのか?」


「いないなでロロ~。両親も芸術のために、旅に出てしまったからなでロロ~」


「アメ~さんも同じ理由でいないわでアメ~」


 とんでもない一家だな!?


「友達はいないのか?」


「友達は音楽とアメーサウだけだなでロロ~」

「友達は作品とルロロクマだけよでアメ~」


「そうか……」


 ここにツッコむのはやめておこう。



「ええと、まあ、とにかく、俺たちに付いて来るのはやめておけよ。命を大事にしろって」


「断るでロロ~! ここが命の使い時だなでロロ~!!」


「ええ、ここが作家生命を懸ける時ねでアメ~!!」


 なんでこんなに覚悟が決まっているんだよ!?


 こいつら変わり者すぎるだろ!?


 って、だから、セイカさんの能力に引っかかったのか!?


 これは納得するしかないな!!

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