第254話 散財開始

「いかがでしょうかでゴッワス? この値段で買い取りましょうかでゴッワス?」


 古書店の店員がそう言った。


「チカさん、どうする?」


「売却するのです」


「では、売ります」


「かしこまりましたでゴッワス。少々お待ちをでゴッワス」


 店員がそう言って、紙束をカウンターに載せていった。


 あれが、ここの通貨の『ヴィヴァヴォヴ』か。


 これもお札なんだな。



「お待たせしましたでゴッワス。どうぞでゴッワス」


 カウンターに紙束の山ができてる!?


 すごすぎ!?

 やはり高額で売れたみたいだな!?



 どうやら二種類のお札があるみたいだな。


 これは百万ヴィヴァヴォヴ札か。


 片面に『百万ヴィヴァヴォヴ』という意味の文字と、髭を生やしたダンディなおじさんが描かれている。

 もう片面には、美女が描かれている。


 大きさは、一万円札をひと回り大きくしたくらいだ。


 こっちは一万ヴィヴァヴォヴか。


 片面に『一万ヴィヴァヴォヴ』という意味の文字と、ハンサムなお兄さんと美女が描かれている。

 もう片面には、犬と猫のような動物が描かれている。


 大きさは、一万円札と同じくらいだ。



 俺たちは金を受け取った。


 そして、頭に収納した。


「ありがとうございましたでゴッワス」


「さて、店を出るか」


「ちょっと待ってッピ。この店も見ていきたいわッピ」


「私も見たいわッスわ」


「そうか? なら、そうしようか」


「ええ、どうぞ、ごゆっくりでゴッワス」


 では、店内を回ってみよう。



 当然だが、古ぼけた本が並んでいるな。


 と思ったら、新品同然の本もあるんだな。


 本にはビニールのようなものがかかっていて、立ち読みができないようになっている。


 表紙で判断するしかないのか。



 『カクゥハ・ナァシー国史』に『ナスギモトマト史』か。


 これは歴史書かな?


 こういうのは、あまり興味ないな。



 こっちは『マゾカノヒツパヨイチヌワバァンオミッヨシガテポジョポロゼボゥ史』か。


 って、なんだこれは!?


 これも歴史書なのか!?


 訳が分からん名前だな!?


 なんだか逆に興味が出てきたぞ!!


 これはいくらなのだろう?


 一万ヴィヴァヴォヴかぁ。


 ちょっとお高い気もするが、買ってみようかな。


 今は余裕があるし、そうしようかな。



 『剛力無双究極トイレ王者の書』という血のように赤いハードカバーの本を見つけた。


 なんだこれは?


 意味の分からない本だな。


「ヒモノ、トイレ力のステータス令嬢がそれを買って欲しいと言っているざますよ」


 ユモアの声が聞こえてきた。


「今度はこれかよ?」


 いくらなのだろう?


 三百ヴィヴァヴォヴか。


 あまり高くないし、買ってあげようか。



 『堅物の書』という黄土色のハードカバーの本を見つけた。


 また妙なタイトルの本だな。


「むむむっ、なんだかその本から面白そうな気配を感じるざます!」


「えっ、堅物なのにか?」


「間違いなく感じるざます! ヒモノ、それを買うざます!!」


「仕方ないなぁ」


 これいくらだ?


 七百ヴィヴァヴォヴか。


 高くはないな、買うか。



 店内を見終えた。


「ヒモノさん、面白そうな本があったわッピ」

「妾も見つけたわよニャ」


 他のみんなも欲しい本が見つかったようだ。


 なら、それらも買おうか。


 お会計は、合計で一千三万ヴィヴァヴォヴだった。


 結構使ってしまったなぁ。


 まあ、まだ余裕はあるから、別にいいけどな。


 俺はお金を支払った。


 そして、本を頭に収納して、店を出た。



「ヒモノ、お金がいっぱいあるから、宿に泊まるでナンス!」


「そうしましょうでナス~!」


「うまいものも食べたいでゴザル!」


「映画も見たいッスね!」


「古書だけじゃなく、新刊も見てみたいわッピ」


「お金があるし、服も見たいわねニャ」


「宿、食事処、映画館、本屋に、服屋か。分かったよ」


「ヒモノさん、わたくしの電球が、それなら良い場所があると言っているのです」


「そうなのか? なら、そこに行こうか」


「では、案内するのです」



「ここなのです」


 チカさんが指差して、そう言った。


 そこには、広告だらけの巨大な高層ビルがあった。


「ここはどういうところなんだ?」


「映画の見れて、食事も出る宿、本屋、食料品店、服屋がある建物なのです」


「そいつは便利だな。では、入るか」


 俺たちは巨大ビルに入った。



 中には、フロアの案内板があった。


 一階に食料品と日用品の店、二階に服屋、三階に本屋、四階以降が宿になっているらしい。


 では、下の階から見ていくか。


 って、食料品は、この町を出る時で良いよな。


 服屋から行くか。



 二階にやって来た。


 棚やハンガーラックのようなものに、派手な色の奇抜な服と、日本で普通に売っていそうな服が置いてある。


 服を着ているマネキンもある。


 まあ、服屋だなってところだな。


「それじゃあ、見て回りましょうかニャ」


「ええ、そうですね。ただし、下着は自分で選んでくださいね。ヒモノさんに選んでもらおうなどという不潔な行為はさせませんよ」


「わ、分かっているわよッピ」


「ヒモノさんも分かっていますよね?」


「分かっているよ、セレンさん!」


「なら、良いんです。では、行きましょうか」


 店内を回り、服を買った。


 では、三階に行こうか。

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