第237話 大量購入させられる

 便器のようなものが、大量に並んでいる場所にやって来た。


「ここはなんだろう?」


「トイレの展示場なのです。販売もやっているようなのです」


「展示即売会か…… うっ!?」


「ヒモノさん、どうしたのッピ!?」


「急に頭が痛み出した…… それと、なぜかここを見ていかなければいけない気がしてきたぞ……」


「それはなぜでヤンス?」


「自分でもよく分からない……」


「ヒモノさん、それはステータス令嬢の影響なのです」


「えっ、ステータス令嬢の!? 誰がやったんだ!?」


「ヒモノ、それは『トイレ力』のステータス令嬢ざますよ」


 ユモアの声が聞こえてきた。


「トイレ力!? トイレ力って、どんなステータスなんだ、ステーさん?」


「名前通り、トイレに関するステータスだ」


 なんじゃそりゃぁっ!?


「具体的にどういうものなんだ!?」


「ステータスが高くなると、トイレをうまく使用できるようになったりするみたいだな」


「そ、そうなのか……」


 よく分からないぞ!?


 まあ、いいか!



「それで、そのトイレ力のステータス令嬢は何がしたいんだ? いろいろなトイレを見て、喜んでいるのか?」


「そんな感じざますよ」


「そうなのか。なら、ここを見物していこうか」


「それが良いざます。もしかしたら、トイレ力のステータス令嬢が出て来るかもしれないざますよ」


「えっ、そんなことができるのか!?」


「トイレ力のステータス令嬢は、かなり強い力を持っているみたいざます。だから、できるかもしれないざます」


「そうなのか」


 いったいどんな力を持っているのだろう?


 想像も付かないな。



 では、見ていこうか。


 俺たちは展示場に入った。



 妙なものがいっぱいあるなぁ。


 なんだこれ?

 出すところが描かれている洋式便器のようなものがあるぞ。


 出口は入り口ではないのだがなぁ。


 まあ、どうでもいいか。



 これは茶色い洋式便器か。


 なんだか出て来たもので作られているような色をしているな。


 なんでこんなものを作っているのやら?


 まあ、どうでもいいけどな。



 ん?

 これは?


 『究極超銀河十新星便器きゅうきょくちょうぎんがじっしんせいべんきシリーズ』という意味の言葉が書かれた立て看板があるぞ。


 なんだこれは?

 大袈裟おおげさな名前のシリーズがあるんだな。


 その近くには、このような便器が並んでいた。


 所々白く光っている、荒々しい岩肌が描かれている洋式便器。

 土のようなものが描かれた洋式便器。

 山吹色の洋式便器。

 光沢がまったくない黒色の洋式便器。

 真っ赤な炎のような絵が描かれた洋式便器。

 透き通った水が描かれている洋式便器。

 さわやかな緑色の洋式便器。

 血のような赤色の洋式便器。

 光沢のある純白の洋式便器。

 光沢がある黒色の洋式便器。


 これらが究極超銀河十新星便器きゅうきょくちょうぎんがじっしんせいべんきシリーズなのか?


 これまた妙なデザインだなぁ。


「これらは『天』『地』『光』『闇』『火』『水』『風』『命』『善』『悪』を表現しているようでごじゃんす」


「えっ!? そうなのか!?」


「間違いないでごじゃんす」


 そうなんだ。

 まあ、そう言われると、確かにそんな感じに見えなくもないかな。



「うっ!?」


「ヒモノ、どうしたのニャ!?」


「この便器をすべて手に入れなければいけない気がする……」


「それもトイレ力のステータス令嬢の仕業ざますね」


「そうなのか。仕方ない、これを買うか。いくらなのだろう?」


「ひとつ十万ヴォヴァヴィヴェと書いてあるわねッピ」


「そうか。なら、買おうか」


 究極超銀河十新星便器きゅうきょくちょうぎんがじっしんせいべんきシリーズをすべて買い、頭に収納した。


 なんかうれしいような気がするぞ。


 これもトイレ力のステータス令嬢のせいなのかな?



「さて、ここにはもう用はないよな? 他の場所へ行こうか…… って、また頭が!? 今度はなんだ!?」


「ヒモノ、どうやらトイレ力のステータス令嬢は、まだ欲しいものがあるみたいざますよ」


「ええ…… まだあるのかよ……」


「探してみるざます」


「仕方ないなぁ」



 『勝利の便器』という意味の言葉が書かれた立て看板を発見した。


 その近くには、焼いた牛肉ステーキの表面のような柄の洋式便器が置いてあった。


「これが勝利の便器なのか? 何が勝利なんだ?」


「これは戦いに勝利し、相手の肉を食べているということでごじゃんす」


「ああ、なるほど、そういうことだったのか」


 世の中の厳しさを感じる便器だな。


 それと、便器に食べ物を描くのはいかがなものかと思うぞ。



「うっ!?」


 また頭痛が!?


 これが欲しいのか、トイレ力のステータス令嬢!?


 仕方ない、買うか。


 いくらするんだ?


 どうやら百万ヴォヴァヴィヴェのようだ。


 買えるようだな。

 では、買おうか。


 勝利の便器を購入し、頭に収納した。



「もういいかな? うぐっ!? また頭痛かよ!?」


「どうやらまだ欲しいものがあるみたいざますね」


「まだあるの!?」


「ちょっとゼイタクすぎるんじゃないッピ!」


「まったくだな! ちょっとは遠慮して…… うぐぐぐぐっ!?」


 あ、頭が痛む……


「ヒモノ、手に入れないと、頭痛が止まらないざますよ」


「ひ、ひどすぎる…… 仕方ない、探すとするか……」



 『苦痛の便器』という意味の言葉が書かれた立て看板を発見した。


 その近くには、小さな白い楕円がたくさんある、薄い赤色の洋式便器が置いてあった。


「これが苦痛? どういうことなんだ?」


「これは口の中に、口内炎が大量にできてしまった苦痛を表現しているでごじゃんす」


「ええ…… そういうことなの……」


 なんで出口に関係するもので、入り口の苦痛を表現しているんだ!?


 出口の苦痛もいろいろあるだろ!?


 訳が分からないぞ!?



「うぐっ!? また頭痛が!?」


 これも欲しいのかよ。


 いくらなんだ?


 うげっ!?

 五億ヴォヴァヴィヴェだと!?


 なんでこれだけこんなに高いんだよ!?


 買えないじゃないか!?


 というわけで、こいつは諦めてくれ。


 ぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!!


 あ、頭に激痛が!?


 なんとか買うから、やめてくれよ!?

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