第202話 毛だらけ?
「あいつは食べられるでゴザル!」
プリーディさんが倒れている巨大な桃のような何かを指差して、そう言った。
あれも食えるのか。
「なら、食べるキュ! リリィお姉さん、料理してキュ!」
「分かりました」
リリィさんがチェーンソーを取り出し、巨大な桃のような何かを切り始めた。
そういえば、いつものヤツは落ちていないのかな?
俺は周囲を見回してみた。
おっ、あったあった。
エクスレトとステータスウィンドウせんべいを発見した。
そして、エクスレトを取り込んだ。
強くなったのかな?
ちょっと体を動かしてみるか。
うーむ、キレが良くなっているような気がする。
レベルが上がって、強くなったのかもしれないな。
ステータスウィンドウせんべいを見てみた。
レベルは九千億か。
高いなぁ。
ステータスはどれも九〇兆くらいだな。
こちらも高いなぁ。
特殊能力は『ピンクになって爆発する液体を出す能力』のみだな。
「皆さん、できましたよ」
「ああ、分かったよ、リリィさん」
今回の料理は、鶏肉のステーキみたいな見た目だな。
香りも焼いた肉って感じだな。
「リリィお姉さん、これは何キュ?」
「先程の敵を切って、焼いたものです」
桃を切ったら、肉が出てきたのか。
まあ、動物みたいだったし、当然なのかな?
では、食べてみようか。
いただきます。
ふむ、食感はやや硬めの肉のような感じだ。
味は桃みたいだな。
なかなか美味しいのだが、なんか違和感があるなぁ。
「ごちそうさま、リリィさん。美味しかったよ」
「お粗末様でした」
「さて、この後はどうしよう? まだここでやることはあるのか?」
「いいえ、何もないのです」
「なら、一〇階に行こうか」
「そろそろ暗くなりそうだから、また明日にしましょうッピ」
「そうだな」
「では、社長、テントを張りますね」
「頼むよ」
「洗浄もしますよ」
「分かっているよ」
俺たちは階段の下で野宿した。
次の日。
俺たちは一〇階にやって来た。
地面から妙なものが伸びている。
色は黒。
表面には、
全長は数十メートルくらい、太さは数十センチくらい。
枝も葉もない、幹だけの木のように見える。
それが周囲に大量にある。
まるで黒い森のようだ。
地面は土だな。
色は普通の色だ。
ピンクではない。
天井も岩や土みたいだな。
いつも通り所々白く光っている。
「なんだここは? あの黒いのはなんなんだ?」
「わたくしの電球が、あれは髪の毛のような木だと言っているのです」
「髪? ああ、確かに毛を拡大すると、あんな感じだったな」
「なんだか小さくなって、頭皮の上にいるみたいねッピ」
「確かにそんな感じだな」
髪が全部直立しているから、剛毛の人の頭にいるのかな?
「この階に、地球に帰れそうな場所はあるのか?」
「なさそうなのです」
「そうか。ここもか……」
またダメか……
「では、また上に続く階段を目指すことになるのかな?」
「はい、その通りなのです」
「そうか。なら、進もうか」
俺たちは飛び立った。
地上は、どこも黒い木がボウボウに生えているなぁ。
それに、分かれ道がたくさんある。
ここも巨大な迷路のような構造になっているみたいだな。
「むむっ、あれは食べられるでゴザル!」
プリーディさんが地上を指差しながら、そう言った。
「ん? どれだ?」
「あそこでゴザル!」
「どれなのか分からないな」
「なら、地上に下りてみるでゴザル!」
「わたしも行くキュ!」
プリーディさんとキュキュが地上に下りて行った。
「おい、勝手に行くなって! 仕方ない、俺たちも行くか」
「ええ、そうねッピ」
俺たちも地上に下りた。
「これでゴザル!」
プリーディさんが黒い木の根元を指差しながら、そう言った。
そこには、黒いアフロヘアーのカツラのような球形の物体が落ちていた。
大きさは直径三〇センチくらいだ。
「それが食べられるのか?」
「そうでゴザル」
「ただのカツラじゃないのか?」
「カツラではないのです。それはキノコの一種で、そこに自生しているのです」
「キノコ? これが?」
「はい、その通りなのです」
「そうなのか……」
直毛からアフロが生えているみたいだな。
妙な光景だなぁ。
「ヒモノさん、こっちの木の根元にもあるでヤンス」
「あそこの木にもあるッスわ」
「本当だ」
どうやらこのあたりに群生しているみたいだな。
「さっそく食べてみるでゴザル!」
「みんなで拾い集めるキュ!」
「はいはい、分かったよ」
俺たちは手分けして、アフロヘアーのキノコを集めた。
そして、百個くらいキノコを手に入れた。
「では、料理します」
「ああ、頼むよ、リリィさん」
リリィさんがチェーンソーを取り出し、キノコを切り始めた。
いったいどんな料理になるのだろうな?
「完成しましたよ」
完成品は、いちょう切りにされたアフロヘアーのキノコだった。
「リリィさん、これはどんな料理なんだ?」
「キノコを切って、焼いたものに、塩をかけたものです」
「そうなのか」
アフロの塩焼きなのか……
また妙なものができたものだな。
では、食べてみようか。
いただきます。
食感はシャキシャキとしている。
エノキタケみたいだな。
味はシイタケみたいな感じだ。
香りもキノコっぽい感じだな。
うん、なかなか美味しいぞ。
しかし、なんであんな見た目で、こんな味と食感なんだろうな?
この階にも不思議がいっぱいありそうだな。
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