第180話 かなり危険な道へ
「魔法が出ないでヤンス」
「君たちの呪文は、余の心に響かないのだゾヨ」
「難しいなぁ。カッコイイというものが、よく分からなくなってきたぞ」
「そうねニャ」
「ヒモノさん、そろそろ暗くなってくるわよッピ」
「なら、今日はここまでにしようか」
「呪文の方はどうするのニャ?」
「すぐに必要というわけでもないし、時間ができた時に考えることにしよう」
「そうねッピ。そうしましょうッピ」
「では、野宿の準備をしようか」
「了解です、社長。では、私はテントを張りますね」
「わたしは夕食を作りましょうか」
「ああ、頼むよ、コロモ、リリィさん」
「杖ちゃんの分も用意しましょうか?」
「不要ゾヨ」
「分かりました」
杖ちゃんは食事を取らないのか。
まあ、当然か。
スプレー缶だしな。
その後、食事を取って、洗浄して、就寝した。
次の日。
「チカさん、まだ寄り道した方が良いところはあるのか?」
「もうないのです」
「杖ちゃんの言っていた悪とやらは、このあたりにはいないのか?」
「いないようなのです」
「我の能力にも引っかからないのである」
「そうか。では、未開の領域の九階に戻ろうか」
「はい、そうするのです」
「トーリさん、能力を使ってくれ」
「了解ッス!」
俺たちは鳥類になった。
「な、なんだその変態的な格好はゾヨ!?」
「変態じゃないッス!? これは鳥類になっただけッス!」
「どういうことだゾヨ!?」
杖ちゃんにトーリさんの能力の説明をした。
「そういうことであったかゾヨ。これは失礼したゾヨ」
「分かってくれれば良いッス」
「ところで、杖ちゃんは飛べるんだよな?」
「うむ、飛べはするゾヨ。ただ、その鳥類用ジェットエンジンとやらに、付いて行けるかは分からんゾヨ」
「そうなのか。なら、試してみよう。ちょっと全力で飛んでみてくれるか?」
「うむ、分かったゾヨ」
杖ちゃんが飛行した。
かなり速いけど、鳥類用ジェットエンジンほどではないな。
「杖ちゃんも鳥類になる特訓をするべきッスね!」
「そうみたいだな。では、トーリさん、頼むよ」
「了解ッスよ!」
杖ちゃんが鳥類になった。
ペンギンの着ぐるみを着ているスプレー缶……
なんともシュールな姿だな。
「では、始めるッス! さあ、気合と根性と勇気と熱血と闘魂と情熱を込めて、羽ばたくッス!!」
「うむ、やってみようゾヨ」
杖ちゃんが羽を上下に動かし始めた。
なんで羽を動かせるのだろうか?
まあ、そこはどうでもいいか。
聖剣やトペゴンも普通にやっているしな。
「時間ができてしまったな。何をやっていようか?」
「呪文を考えていましょうかッピ?」
「そうだな」
何か良いものはないかな?
「これで杖ちゃんは立派な鳥類ッスよ!」
「うむ、ありがとうゾヨ」
杖ちゃんが飛べるようになったみたいだ。
呪文の方はまったく思い付かなかったけどな!
「では、出発しようか」
「うむ、そうするゾヨ」
「悪を必ず見つけ出し、打ち倒すのである!!」
「はいはい、分かったよ」
俺たちは未開の領域に向かって、飛び立った。
休憩を挟みながら飛び続け、九階までやって来た。
「ふう、やっと着いたか」
「ええ、そうねッピ。それにしても、ここは相変わらず、一面ピンクねッピ」
「ああ、そうだな。目がおかしくなりそうだ」
「まったくねニャ」
「ヒモノさん、どちらの道に行くのですか?」
「えっ? ああ、そういえば、ここには分かれ道があったんだったな」
「はい、後はかなり危険な道と、とても危険な道のふたつがあるのです」
「さて、どうするかな?」
「両方とも危険そうだから、戻ってのんびりした方が良いでナンス!」
「賛成ですでナス~!」
「それは却下だ」
「「ええ~」」
「やかましいぞ」
まったくこいつらは……
「次はかなり危険な道に行ってみようか? みんなはどう思う?」
「ワタクシはそれで良いわよッピ」
「妾も構わないわよニャ」
「余も構わないゾヨ」
みんなそれで良いそうだ。
二名ほど不服そうなのはいるがな。
「では、決定だ。チカさん、案内を頼むよ」
「分かったのです」
俺たちは飛び立った。
しばらく進むと、白く巨大な下り
「ヒモノさん、ここを下るのです」
「また下に行くのか……」
「まさかまた人が住んでいる場所があるのッピ?」
「そこは不明なのです」
「そうか。まあ、行ってみれば分かることだな。よし、先に進もう」
俺たちは階下に向かった。
そして、俺たちは進み続けた。
ここまでは前と同じだな。
「むっ、これはもしや……」
「どうしたんだ、ケイカさん?」
「この先に、悪がいるような気がするのである!」
「えっ、杖ちゃんの探しているヤツなのか!?」
「それは分からないのである! だが、悪を見逃すわけにはいかないのである! ゆくぞ、ヒモノよ!!」
ケイカさんが飛んで行った。
「おい、ひとりで行くなって!?」
俺たちもすぐに後を追った。
そのまま進んで行くと、和室から抜けた。
すると、そこには砂浜と海と思われる巨大な青い水たまりがあった。
後方には、巨大な岩壁が続いていた。
上には、所々白く光る岩の天井があった。
ここも未開の領域の入り口と同じようなところだな。
「また海みたいなのがある広い場所に出たわねッピ」
「そうだな。チカさん、あれは海なのか?」
「はい、その通りなのです」
「やはりそうなのか」
「むむっ、やはりここには悪がいるのである! 突撃するのである!!」
「ちょっと待て!? さすがに無策で突っ込むのは危険だ!? 落ち着けって!」
「ならば、どうするのであるか!?」
「ここはあーしの偵察用鳥類の出番ッスね!」
「そうだな! まずはそれで様子を見よう! それで良いよな?」
「むっ、まあ、良かろうなのである」
「どこに飛ばせば良いッスか?」
「あちらの方角である」
「了解ッス。じゃあ、飛ばすッスよ」
偵察用鳥類が飛んで行った。
さて、ここには何があるのだろうか?
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