第121話 鳥類鎖骨攻め?

「では、次はトーリさんだな。どうだった?」


「身体能力が上がったッス。後、妙な能力を身に付けたッス」


「どんなものなんだ?」


「『鳥力の鎖骨を指でなでる』という能力ッス。効果はあーしを抱き締めながら鎖骨を指でなでると、なでった人の仲間と認識されている人たちの、鳥力が少し上がるッス。一回やると、一日効果が持続するッス」


 なんだその訳の分からん能力は!?


 なんでそれで鳥力が上がるんだ!?


「鳥力が上がれば、飛ぶのが楽になるでナンス?」


「なるッス」


「ヒモノさん、やってみましょうでナス~。そして、少しでも飛ぶ負担を減らしましょうでナス~」


「俺がやるのか?」


「あーしは構わないッスよ」


「分かったよ。では、やってみよう」


「どうぞッス」


 俺はトーリさんを抱き締めた。


「ヒモノは良い香りがするッス。それに抱き心地も良いッス」


「それは能力のせいだな。では、なでるぞ」


 うっ、着ぐるみのせいで鎖骨の位置が分かりづらいな。


 この辺かな?


 俺はトーリさんの首のあたりを、人差し指でなでてみた。


「これで良いのか?」


「今のは失敗ッスね。あーしの鳥力は上がってないッスよ」


「そうなのか。では、もう一回」


 俺はまたトーリさんの首のあたりを、人差し指でなでてみた。


「今度はどうだ?」


「また失敗ッスね」


「トーリさん、鎖骨の位置が分かりづらいぞ。どこをなでれば良いんだ?」


「ここッスよ」


 トーリさんが鎖骨の位置を指し示してくれた。


「分かったよ」


 俺はその位置を、人差し指でなでてみた。


「なでたぞ。成功したか?」


「おかしいッスね? 鳥力は上がってないッスよ?」


「なら、失敗かな? なぜだろう?」


「ヒモノ、どうやらトーリの着ぐるみのせいで失敗しているみたいでナンス。脱がせてからやるでナンス」


「何を言っているッスか、イアーユ!? あーしは着ぐるみなんて着ていないッスよ!」


「くだらないことを言ってないで、着ぐるみを脱ぐでナンス!」


「だから、そんなの着ていないッス!」


「ケンカすんなって! トーリさん、ちょっと人類になってもらえないか? そうしないと、能力が発動できないみたいだ」


「仕方ないッスね。なってくるッス」


「ならば、モザイクを出すであります」


「鎖骨を攻めやすい水着も出しましょう」


「ありがとうッス、マモリ、ルメーセ」


 トーリさんがモザイクの中に入って行った。


 鎖骨を攻めやすい水着!?


 何を着せる気なんだ!?



「お待たせッス」


 トーリさんが戻って来た。


 これはまた、露出の激しいものを着ているなぁ。


 肩紐のない紺色のビキニタイプの水着だ。


 隠すべき場所が最低限しか隠れていない。


 トーリさんのスタイルがとてつもなく良いので、目の保養になりまくっている。


「ヒモノさん、また洗浄した方が良さそうですね」


「そ、それは終わってからにしよう、セレンさん……」


「仕方ないですね」



「では、始めるぞ」


「どうぞッス」


 俺はトーリさんを抱き締めた。


 うっ、着ぐるみの時とは全然違う。


 体は柔らかいし、肌はスベスベだし、とても良い匂いがする!


「ヒモノさん、洗浄したいので早く済ませてください!」


「あ、ああ、分かっているよ、セレンさん……」


 もうちょっと堪能したい気もするが……


 仕方ない、やるか。


 俺は人差し指で、トーリさんの鎖骨をなぞるようになでた。


「ふぁっ!?」


「どうしたんだ、トーリさん!?」


「すごくくすぐったいような、気持ち良いような感じだったッス……」


「そうなのか?」


「なんかイヤらしいッス! ヒモノは変態ッスね!」


「人聞きの悪いことを言うなっての! それより、能力は発動したのか!?」


「まだしてないみたいッス」


「なら、もっとなでてみるか?」


「仕方ないッスね。変態のヒモノになでさせてやるッス」


「変態はやめろっての。では、やるぞ」


 また人差し指で鎖骨をなでた。


「う、んっ……」


 トーリさんの口からなまめかしい声が漏れている。


 俺はそのまま指を進めた。


「ぁぅ…… んっ……」


 なんだか気持ちよさそうだな。


 もしかして、トーリさんは鎖骨が弱点なのか?



「ひと通りなでてみたぞ。能力の方はどうだ?」


「せ、成功したみたいッス……」


「トーリさん? なんかグッタリしてないか?」


「ヒモノになでられると、体の力が抜けてしまうッス……」


「そうなのか?」


 やはり鎖骨が弱点みたいだな。


 なるほど。



「な、なんと、ドスケベでド変態な浮気者のヒモノは『女性を指でなでるのがうまくなる能力』を身に付けたざます!」


 ユモアの声が聞こえきた。


「えっ!? そんなのが身に付いたのか!?」


「おめでとうざます! これでヒモノは、さらに女たらしのド変態になったざますね!」


「うるさいぞ!?」


「ヒモノさん、さっそくその能力を試してみましょうッピ! さあ、ワタクシをなでてみてッピ!」

「ちょっと待ちなさいニャ! 妾をなでるのが先よニャ!」

「いやいや、ここは私に試してみるでヤンス!」

「いいえ、姉さん、ここは私がやるわッスわ!」

「ヒモノさん、今後の創作のために、私にもやってくださいミャン!」


 女性たちが押しかけて来た。


「なんという不潔な集団! 徹底洗浄します!!」


「「「ぎゃああああああああああああっ!!!」」」


 そして、みんなまとめて洗浄された。


 修行をしたというのに、進歩のない集団だな。


 ああ、やれやれ。

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