第54話 プール付き修行場

「ヒモノさん、早く食べさせてよッピ!」


「ヒモノ、妾の面倒を見るのよニャ!」


「ヒモノさん、私もお願いでヤンス!」


 メェールさん、レイトナさん、レデベールさんがギャーギャーわめいている。


 こいつらうるさすぎだろっ!?


「お前ら実は元気だろ!? 自分でむしり取って食えっての!?」


「そんなことないわよッピ!」


「そうよニャ! 疲れて動けないのよニャ!」


「私は疲れているでヤンス! ヒモノさん、やさしくお風呂に入れて欲しいでヤンス!」


「叫ぶことができるくらい元気じゃないか!? 自分でどうにかしろ!」


「つ、疲れたッス…… 人類の修行は、鳥類のあーしには厳しすぎるッス……」


「トーリさんの方が死にそうじゃないか!?」


 介抱しないと!



「トーリさん、大丈夫か!?」


「ヒモノ、あーしは疲れ果てたッス……」


「ツシークパンタ草を食べろって!」


「服が重くて動けないッス……」


「なら、食べさせるか」


 トーリさんの上体を起こさせ、ツシークパンタ草を食べさせた。


「ヒモノ、ありがとうッス……」


「このくらい良いんだよ」


「人類も悪くないッスね……」


「ヒモノさん、次はワタクシの番よッピ!」


「違うわよニャ! 次は妾よニャ!」


「ヒモノさん、次は私にあーんしてでヤンス!」


「はいはい、仕方ないなぁ。今行くよ」



「ヒモノ、こいつらの面倒を見る必要はない」


「わたくしたちがツシークパンタ草を、たくさん持って来たのです」


 ステーさんとチカさんがツシークパンタ草を大量に抱えながら、そう言った。


「さあ、存分に食うが良い」


「口を開けるのです!」


「や、やめてッピ……」

「ちょっと、冗談でしょニャ!?」

「お、お許しをでヤンス……」


 ステーさんとチカさんが、三人の口にツシークパンタ草を押し込んだ。


 三人とも苦しそうにしている。


「窒息させないように気を付けろよ」


「分かっている」


「ヒモノさんは、他の方の介抱するのです!」


「ああ、分かったよ」


 俺は他の面々にも、ツシークパンタ草を食べさせた。


 これでそのうち元気になるだろう。


 さて、俺も休むとしようか。


 ツシークパンタ草を食べ、男性用更衣室でシャワーを浴び、仮眠室で寝た。



 次の日から一か月間、ランニングやトレーニングマシンでの修行、倒れている面々の介抱、食事、シャワー、就寝を繰り返す生活が続いた。


 そこからはみんな体力が付いてきたのか、修行が終わっても介抱しなくて済むようになった。


 イアーユさんとヴィーミラもだ。


 みんな成長しているようだな。


 素晴らしい。



 修行開始から三か月が経過した。


 その日の修行が終わり、更衣室に向かっている時にメェールさんとレイトナさんが話しかけてきた。


「ヒモノさん、ファミリースペースの中に大浴場があるのは知ってるッピ?」


「いや、知らなかった。そういえば、あの中を見てなかったな」


「そうなのニャ? あの中には広いリビング、寝室、子供用の遊び場もあるのよニャ」


「へぇ、そんなのがあったのか」


「というわけで、ワタクシと大浴場に行きましょうッピ」


「何を言っているのニャ! ヒモノ、妾と一緒に入りましょうニャ!」


「一緒に!? もしかして、混浴なのか!?」


「その通りでヤンス! というわけで、ここは私と入りましょうでヤンス!」


「拙者も入るでゴザル」


「待てでナンス! ここは私と入るでナンス!」


「既成事実を作って、一生養わせてやりますでナス~」


 レデベールさん、プリーディさん、イアーユさん、ヴィーミラもやって来た。


「おい、こら!? 何を言っているんだ!?」


「ちょっと、あなたたち邪魔しないでよッピ!」


「邪魔はあんたたちよニャ! ヒモノは妾と入るのニャ! その後はベッドで一緒に寝るのよニャ!」


「いえ、ぜひ私と入りましょう。スペシャルなマッサージを、今日こそお見せしましょうでヤンス!」


「身を清めて、同衾どうきんでゴザル」


「大人しく私と入って、責任を取るのよでナンス」


「男の甲斐性の見せ場ですよでナス~」


「今はそんなことをしている場合じゃないだろ!?」


「貴様ら何をやっている!」


「あなたたちの悪事はここまでなのです!」


 ステーさんとチカさんがやって来て、元王族の面々ともめ出した。


 さて、あいつらは放っておいて、シャワーを浴びて寝るか。


 俺は男性用更衣室に入った。



 シャワーを浴び終え、仮眠室で休んでいると、ステーさんとチカさんがやって来た。


 なんで男性用更衣室に入って来るんだ?


 まあ、いいか。


「ヒモノさん、これを着るのです」


 チカさんから黒いハーフパンツを受け取った。


「これは水着か? どうして着なければいけないんだ?」


「話し合いの結果、水着を着て大浴場に行くことになった」


「なんでそうなったんだ!?」


「なぜかなってしまったのです!」


「そうなのか」


 訳が分からないけど、とにかくそうなったのか。


「というわけで、急いで来るのです!」


「はいはい、分かったよ」


 ステーさんたちが出て行った。


 では、着替えて向かうとするか。



 大浴場にやって来た。


 浴場というより、屋内プールといった感じの場所だな。


 ここは本当に設備が充実しているな。


「ヒモノさん、やっと来たのねッピ!」


「遅いわよニャ!」


 メェールさんとレイトナさんがやって来た。


 ふたりとも布の面積がかなり狭いビキニの水着を着ている。


「ヒモノさん、どうこの水着はでヤンス?」


「ヒモノ、私の水着姿を見せてあげるから、一生養いなさいでナンス!」


「私のも見せますので、よろしくお願いしますでナス~」


 レデベールさんたちもきわどい水着を着ているなぁ。


「ヒモノ、来たか」


「一緒に入るのです!」


「さあ、行くッスよ!」


 ステーさんたちもすごいのを着ているな!?


 いやあ、目の保養になるなぁ。



 その後、みんなで風呂につかって、修行の疲れを癒した。


 広い風呂は素晴らしいものだな。

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