第18話 ステータスコピー……
すさまじい爆発だったな……
みんなは無事なのか?
確認しないと。
「おーい、みんな無事か!?」
「私は問題ない」
「俺様も無事だぜ!」
「わたくしと電球も無事なのです」
「わたしも無事キュ」
「ワタシもですキュ~」
「みんな無事みたいだな。良かった」
「ヒモノは無事なのか?」
「ああ、問題ないよ、ステーさん」
「そうか。それは何よりだ」
確かに何よりだな。
だが、近距離で爆発した割には、被害がなさすぎる気がするなぁ。
もしかして、これが『なんか良い感じの爆発』なのかな?
まあ、そんなのどうでもいいか。
そういえば、王はどうなったのだろうか?
爆発で死亡したのだろうか?
ちょっと探してみようか。
王のいた場所には、大きなクレーターができていた。
王とステータスウィンドウの姿は見当たらない。
本当に爆発してしまったのだろうか?
「ヒモノさん、クレーターの中心にエクスレトがあるのです」
「おっ、本当だ。あれは王から出たのか?」
「多分そうキュ。エクスレトは人間さんからも出て来るキュ」
「へぇ、そうなんだ」
あれが出たということは、亡くなったということか。
「あれを取り込むキュ。あの人間さんは、かなり強そうだからレベルも上がるキュ」
えっ!?
人間から出たものをか!?
ちょっと抵抗があるなぁ。
だが、そんなゼイタクを言っている場合ではないか。
レベルは上がった方が良いだろうからな。
よし、覚悟を決めて、取り込むことにしよう。
クレーターの中心まで行き、エクスレトを拾った。
ん?
このエクスレトは前のものよりも、かなり大きくないか?
直径二〇センチくらいあるぞ。
なぜなのだろうか?
キュキュに聞いてみた。
「強いのが落とすエクスレトは大きいキュ」
「へぇ、そうなんだ。これはかなり大きいのか?」
「大きいキュ。こんなの初めて見たキュ」
「そうなのか。それで、これは誰が取り込むべきなんだ?」
「今回みたいに誰が倒したのか分からない時は、エクスレトを割って分けると良いキュ」
「割っても良いのか!?」
「問題ないキュ」
「そうなのか。では、割るか。と言いたいけど、これ結構硬いな。何か良い道具はないのか?」
「エクスレトを割りたい時は、地面に叩き付けるだけで良いキュ」
「そんなことをしたら、粉々になるのでは?」
「なぜかならないキュ」
「本当なのか? まあ、とりあえず、やってみるか」
俺はエクスレトを地面に叩き付けた。
すると、なぜかエクスレトが二等分になった。
「ええっ!? なんだこれは!? なんでこんなにキレイに真っ二つになるんだ!?」
「エクスレトは、こういうものなのキュ」
「そうなのか……」
訳が分からない。
自然の神秘なのかな?
まあ、気にしても仕方ないか。
では、取り込んでもらおうか。
キュキュと聖剣が、エクスレトを取り込んだ。
すると、俺の中に何かが入って来たような気がした。
無事取り込めたようだな。
さて、ステータスはどうなったのだろうか?
ステーさんに聞いてみるか。
「ヒモノのレベルは『よわヨワ弱、よわ、うえっ!? 私ちょっと弱くはなくなくなくない感じじゃない!?』になったようだ」
「うーん、相変わらず、分かりづらいなぁ」
「また素振りをしてみたらどうだ?」
「そうだな。やってみよう」
俺は体を動かしてみた。
体のキレが良くなった気がする。
強くはなっているのかな?
「むっ、ヒモノ、どうやら特殊能力が身に付いたようだ」
「えっ!? どんなものなんだ!?」
「『ステータスコピー機を出す能力』だ」
「ステータスコピー機!? なんだそれは!?」
「名前通りのものが出て来るようだ。数は一体だけだ」
「もしかして、王のステータスウィンドウみたいなヤツなのか?」
「おそらくそうだろう」
「役に立つのだろうか?」
「それは出してみるしかないな。出し方は聖剣と同じだろう」
「分かったよ。では、出してみるか」
俺はステータスコピー機出て来いと思ってみた。
すると、俺の前に先程爆発した、コピー機に人間の手足が生えた化け物が現れた。
「どうも、ステータスコピー機ですコピッ」
ステータスコピー機が挨拶をしてきた。
「ああ、初めまして、俺は
「そうでしたかコピッ。よろしくお願いしますコピッ」
「君は何ができるんだ? やはりステータスをコピーできるのか?」
「いいえ、そんなことはできませんコピッ」
「なら、何ができるんだ?」
「お茶くみは得意ですコピッ! あらゆるお茶を美味しく
「そ、そうなのか。それはすごいな。他には何かあるのか?」
「コーヒーも
「そ、そうか。他には何かないのか?」
「以上ですコピッ!!」
えええええっ!?
それはちょっと微妙じゃないか!?
「コピー機としての機能があったりはしないのか?」
「ありませんコピッ!!」
「爆発はしないよな?」
「そんなことするわけないでしょコピッ!? 何を言っているのですかコピッ!?」
しないのか。
良かった。
「ヒモノお兄さん、わたしもステータスコピー機を出せるようになったキュ!」
「えっ!? キュキュも出せるのか!?」
「この通りキュ!」
キュキュの側にステータスコピー機が出現した。
俺のと同じ姿をしている。
特技も同じだそうだ。
「ステータスコピー機という名前は、長くて呼びにくいから『ピコピコ』と名付けるキュ!」
「よろしくお願いしますピコッ」
「ああ、よろしく」
ん?
今俺のと語尾が違っていたな。
なぜなのだろう?
まあ、いいか。
「俺のにも名前を付けようか。そうだなぁ『コピータ』なんてどうだろう?」
「良いと思いますピコッ」
「では、君は今日からコピータだ。改めてよろしくな」
「はい、よろしくおねがいしますコピッ」
「ヒモノ、王の周囲にいた連中が近付いて来るぞ!」
「えっ!?」
今更何をしに来たんだ!?
まさか王の
あれは自爆しただけだろ!?
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