序章裏話
『オー・ソレ・ミオ』 (以下『オーソレ』)はケルト神話やカバラをモチーフとした近代西洋ファンタジーでした。そのため『マレビト来たりてヘヴィメタる!』 (以下『マレ来た』)の世界観とはだいぶ毛色が違っております。
本作が近代和風に大きく舵を取ることとなったきっかけは、主役ふたりの「出会い」でした。
・入山献慈 (いりやま・けんじ)
本作の主人公=視点人物です。
『オーソレ』からフルネームや性格、境遇などそっくり継承させた唯一の人物です。キャラ立てのため、メタラー属性を追加したことが『マレ来た』の方向性を決定づけました。
原案との大きな違いは、バトルにおける役割をヒロインと入れ替えたことです。元の献慈は前衛で、仲間の奏でる曲に合わせて剣舞を繰り出す魔法剣士でした。
余談ですが、命名の由来はビート○ズ「エリナー・リ○ビー」の空耳から。ハザマ・ケンジだとあだ名にしづらいので、イリヤ・マッケンジーに。
・大曽根澪 (おおそね・みお)
こちらは本作の主役=物語の中心人物です。
『オーソレ』での名前は大逸魅凰 (おおそれ・みお)、直球です。符術と柔術で戦う巫女さんでした。
献慈が転移後初めて出会う年上のヒロインというところは共通しています。出会いの場所は『オーソレ』では不自然にも西洋の港でした。そこで舞台を和風の国に移したことが今作『マレ来た』の作風の基盤となりました。
彼女が失った肉親は『オーソレ』では祖父ですが、『マレ来た』では母親に変わっています。軸となるメインシナリオは両作ともこの「ミオ」の背景を踏襲しています。
なお、魅凰は当時作者のお気に入りだったらしく、『オーソレ』の次作でスターシステム的に登場しています。『マレ来た』での食いしん坊キャラはここからの輸入です。
『オーソレ』の作中年代は「統一暦」1889年。これをそのまま反映させ、『マレ来た』冒頭の年代を「新星暦」1889年5月1日としました。
一方、本文には明記されていませんが、元世界での「西暦」は年数を少し進めて1996年7月16日としています。回想部分の舞台となっているのは福島県二本松市で、年代ともども後の展開を見据えての設定です。
とはいってもあくまで裏設定ですので、知らなくてもさしたる影響はございません。
・真田馨 (さなだ・かおる)
『オーソレ』では野歌麟 (のうた・りん)という名前でしたが、さすがにあんまりなので改名しています。容姿のイメージは変わりませんが、元は空手部の脳筋キャラという設定でした。
本編および【人物】では明示されていませんが、中一まで住んでいた土地はおそらく広島あたりじゃないかと思います。
・宇野宮碧郎 (うのみや・へきろう)
『オーソレ』では風菊碧郎 (かざぎく・へきろう)。この男も作者のお気に入りで、『マレ来た』の直前に書いた作品――といっても十○年前になりますが――に主人公の親友ポジの風間碧郎 (かざま・へきろう)として登場しています。
・その他の人物
献慈の家族構成もそのまま。姉の名前は同じ「羽衣」ですが、呼びやすいよう読み方だけ「はごろも」から「うい」に変えています。
ちなみに、教室で献慈にちょっかいをかける女子生徒には嶺岸姫乃 (みねぎし・ひめの)という名前があります。『オーソレ』では1ページ目から献慈の次に登場しているネームドキャラでした。
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