【番外編】マレビト来たりし番外地【裏設定】

【設定】武具

◆武具　weapon

◇千夜渦平州 （ちようずただくに）

　稗田平州 （ひえだただくに）作の名物で、太刀を磨り上げ打刀としたもの。伝説上の剣豪・服部寂紅 （はっとりじゃっこう）の差料であったとの謂れがある。

　現在はワツリ神社の奉納品であるが、御子封じに際して澪が借り受けている。

◇ドナーシュタール　Donner Stahl

　ドヴェルグの一派・那梨陀により鍛えられた雷属性の霊剣。形状は完全なる西洋剣＝バスタードソードであり、古代イムガイに存在する武器としてはオーパーツに当たる。

　一〇八星の一人〝東方の薔薇〟璃旺の愛剣であったが、後にヴェロイトへと伝わりドナーシュタールと呼ばれるようになった。

　勇者ヨハネス・ローゼンバッハの手に渡る頃には経年劣化により霊力も衰えていたが、それでもなお凡百の剣に勝る切れ味を持つ。

　ちなみに当時の平均的技術が現代の魔導を大きく上回っていたわけではなく、ごく一握りの逸品だけが取り沙汰された結果による。とはいえ再現不可能なハイレベルの品が存在するのも事実。ドナーシュタールもその一つである。

◇翡翠兵 （ヒスイヘイ、Fěicuìbīng）

　央土の武林に伝わる宝剣。トゥーラモンドにおいては伝説上の宝石とされる翡翠の名を冠した、虹色の剣身を持つ土属性の硬剣。双手剣 （＝両手持ちの長剣）。

　「強き者には滅びを、弱き者には栄光をもたらす」といういわく付きの代物で、王朝交代の混乱時に行方知れずになっていた。

◇ローターヒンメル　Roter Himmel

　ライナーの愛器。家を出る際、好事家であった父親から贈られた七弦ギター。

　調弦は1弦側からE-B-G-D-A-E-B、24フレット、ボルトオンネック。弾き手の精神に呼応して様々な音色を発する。

　ピックアップのほか、魔力を増幅するアンプも内蔵している。

◆刀工と名物　katanasmiths and celebrated katanas

　刀鍛冶は基本的に鬼人。研師や拵師の中にはヒト、稀に獣人もいる。

　☆は天下三剣。

◎鬼武尊 （おにぶそん）派

　オキツ島を本拠とする最古の刀匠集団。

・鳩羽 （はとば）

　小太刀。御庭番衆の手に渡っている。

・蜂鳥 （はちどり）

　小太刀。御庭番衆の手に渡っている。

・火ノ鳥 （ひのとり）

　美法が所持していたが、結婚の際に師へ返上した。

・雷鳥丸 （らいちょうまる）

　大太刀。筆頭隠密に代々伝えられる。

☆烈鳳龍 （れつほうりゅう）

　天下三剣。御物。太刀の最高傑作とされる。

・風雷炎舞 （ふうらいえんぶ）

　国宝。刀身の中ほどまでが両刃になっている。

・太角 （たづぬ）

　国宝。反りが深い形状をしている。神宮に奉納されている。

・江辻 （えつじ）

　国宝。大小二振り作られた。大刀を江辻別と称する。

・江辻別 （えつじべつ）

　国宝。大小ともに朝廷・近衛府の管理下にある。

○栗駒清満 （くりこませいまん）

　鬼武尊の流れを汲む近世の刀工。伊庭仁十郎の兄弟子。

・慈凰 （じおう）

　権平聖光の差料。無銘。同型の刀を三本作らせたその三本目。

○法龍院寿満 （ほうりゅういんとしみつ）

　近代最高の名刀匠。現在は二代目が旧都で活動している。

◎稗田 （ひえだ）派

　鬼武尊と並び称されるキホダトの名刀工一族。

・古瀬潮平州 （ふるせじおただくに）

　平州最古の作。後世の刀工にとっての基準。

・千夜渦平州 （ちようずただくに）

　澪が所持。ワツリ神社に奉納されていた。

・六類 （むつたぐい）

　無銘。おそらく平州作。やや小振り。うぶ。

☆照月泰虎 （てるつきやすとら）

　天下三剣。国宝。将軍家の所有。

・春雷 （しゅんらい）

　泰虎作。樋が彫られている。反りが浅く刺突に特化。

☆葛解き泰虎 （つづらときやすとら）

　天下三剣。極星烈士・紫深 （ズー・シェン）の差料。

・数珠益虎 （じゅずますとら）

　粒の揃った数珠刃の刃文を持つ。

・嫦娥 （じょうが）

　無銘。数珠益虎の写し。やや小振りに仕上がっている。

○菅谷 （すがや）派

　稗田一族から分派した刀匠集団。名刀の写しを比較的安価で量産している。

○安仁ノ房 （あにのぼう）

　近世末期に稗田派から分派。優秀な鞘師・拵師を多数抱えている。