神様と君の隠し事

滝村透

はしがき

 何も思い通りにいかない日々が続いている。憂鬱で目を灰色に曇らせた僕の存在など歯牙しがにも掛けないように、この蒼い星は一定のスピードで回り続け、季節は変わっていく。時の流れを恨めしく、そして恐ろしく思うようになったのはいつからだろう。このままでいてはいけないし、早くここから脱したいのだけれど、同時にずっとこのままで、誰からも審判を受けずに自由でいたい。一丁前のプライドと、子供じみた羞恥心から、僕は微睡まどろみの中でモノクロに見える風景をなんとなく生きていた。

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