さゆきは可愛いから大丈夫だよ

高校生の時に二番目に好きだった男子の話です。なに順位つけてんだ、さゆきです。

この男子はこの頃は心理カウンセラーになりたいと言っていて聞き上手でした。そして自分からよくいろんな人に話しかける子でした。


話しやすく優しい子だったのでモテてました。周りの友達や先輩後輩で彼のことが好きだと言う人が何人かいました。「私も好き」とは言えませんでした。彼はいっつも目の大きなお人形さんみたいな美人と付き合ってました。私の目は大きくないのでムリだなと思ってました。


でも私のことを気に入ってるのは分かってました。いつもちょっかいを出してきたり、私が何か食べてるのを横からニコニコ見ていたり。「何かあったら言ってね」と声をかけてきたり。私が後輩の男子と仲良くしてると機嫌が悪くなったり。

周りからお似合いだと言われることもありましたが、しょっちゅうケンカしてました。


当時Kiroroの「長い間」という曲が流行ってました。サビは「気付いたの あなたがこんなに胸の中にいること 愛してる まさかね そんなこと言えない」という歌詞でした。

これを聴いたとき彼が思い浮かびました。大好きだったけど彼には美人の彼女がいたし、私は先輩のことが好きでした。何でこの先輩なんか好きだったんだろうと今では思うのですが、鼻筋が綺麗でかっこよくて面白い先輩でした。性格は適当で評判悪かったです。

彼に「なんであんな先輩がいいの?」と聞かれて「だって好きなんだもん」と私が満面の笑みで答えたそうです。彼が前に失恋した後に私に乗り換えようかと考えていたそうですが、あんな先輩なんかを好きだと言っていたので諦めたそうです。


私が「彼氏がほしい」と言ってると「さゆきは可愛いから大丈夫だよ」といつも言ってくれました。高校時代の私は可愛かったようです。今は太ったし全然綺麗になってないので会ったら多分幻滅されます。でもあの頃に戻って素直に好きだと言って付き合えたらよかったのになとたまに思います。







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