劇的ビフォーアフター:なんということでしょう、中原家の壁が鋼鉄製に生まれ変わりました。

 私は食事を食べるのが人よりかなり速い。大体いつも5分ぐらいで食べ終わってしまう。これは私が幼い頃、父がキレるとテーブルがひっくり返されたりして食事が強制終了させられてしまうことが多々あったためだ。

 父はおそらく精神疾患を患っており、仕事から家に帰ってくると些細なことを理由に怒った。大声で叫び、皿やらコップやらを壁に投げつけ、兄弟が泣きながら謝っても許さなかった。頻度も半端なく、兄弟の話ではひどいと一週間に2、3回ぐらいのペースで物を壊していたらしい。

 当時父と兄弟が四六時中ケンカしていたせいで私の家の壁にはいくつも穴が空き、後で頑張って修繕した跡が今でも残っている。


 そんなわけで、兄弟といっしょにテレビを見ているとき、たまたま劇的ビフォーアフターがやっていて、私がふざけて「なんということでしょう! 〇〇家の壁が鋼鉄製に生まれ変わりました! これならいくら皿をぶつけても壁が壊れることはありません!」と言ったところ大ウケしていた。

 子供はどんな環境にも適応するものだ。

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