第138話 ふとした優しさに気づけるようになりました

 随分と長い間、人間不信に陥っておりました。私のまわりの方たちは、自分たちを正当化するために、私をピエロのように扱っていたからです。


 どこにいても。


 影でこそこそと文句を言われた学生時代。それらは誰かが作り出した拙い嘘なのに、尾ひれがついて段々私が面白くなってしまったくらいです。


 リアルでは、友達なんていなくていいんですよね。そういう、人間の一番汚い、最低の部分を小学二年生で見て聞いてしまったからです。


 誰にも期待されない。だけど、それだけ自由な時間がとれて、学校では教えてくれない知識という名の文学を、じっくり、ゆっくり読むことができたからです。


 始めての手術入院に至っては、心無い言葉を浴びせられました。あんたは若いから、病気の進行が早いね、とか。残念ながら、私の病気はあなたが勝手に決めつけたようにはなりませんでしたよ?


 なんとなくそうして、病気のことで落ち込んだり、そんな自分が許せなかったりしたこともありました。壁に頭を打ち付けていたのはこの頃です。


 日本の経済も不安定だったりしたのも影響していたのかもしれませんが、心ない言葉にいちいち傷ついても楽しくも何もなく。そういう考えの人もいるんだよね、くらいのところまでは、上昇してくることができました。


 カクヨムと出会って、たくさんのユーザー様と出会い、たくさんの優しい言葉に癒やされてきました。しば犬の彼との出会いもありました。


 今年、ちょっとした大きな出来事がおきました。これまでの生活を覆されてしまうほど最悪でした。


 けれどその時、これまで私が見てきた人たちの、本当の優しさを知ることができました。なんで? って思うほど親切にされると、宗教の勧誘かな? と距離を置いていたのですが、純粋に私達に優しい手を差し伸べてくれました。


 もちろん、嫌な人間がいなくなるわけではありませんが、優しくされた分だけ、私も優しさを返してゆこうと思うようになりました。


 どうか、みなさまのお心が穏やかでありますように。


 ラス1

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