第96話 オカルト的な?

 これは、私が子供の頃に騙されたやつです。変に怖がらなくても大丈夫ですからね。


 さて、私が小学生の頃、祖母が亡くなりました。それにより、一族で集まったのですよ。


 ちなみに、親戚のお姉さんがいて、私の実の姉よりも言葉やリアクションを返してくれるので、なんだかその人にとてもなついてしまっていました。


 今、考えればはっきりと迷惑な子供に好かれたな、って感覚だったのでしょうね。


 なにしろ私とは真逆で活動的な方でしたから。


 で、夕方のど田舎は変にオカルト風が吹きます。夏の、とても暑い日だったにもかかわらず、なんかこう、じっとりと嫌な汗が出るタイプの風です。


 そこで、お姉さんにくっついて離れない私を疎ましく思ったのでしょうね。おもむろに彼女が言い出すのですよ。


 この地方には、人間の血を吸うハエがいるんだ、って。


 私はすーぐ騙されてしまって、ちょっとしたパニックです。


 そんな時に限って、半ズボンを履いていた私の足に、どこからか飛んできたハエが止まりました。


 お姉さんはビビりまくる私の足に止まったハエを一発で仕留めると、ほらね、と言って、血まみれになったハエを見せてくれました。


 本当に血を吸うハエがいるんだー!! と、なり、私は強制的に家に帰され、そしてお決まりの発熱です。


 が、熱が冷めた時には、ハエのことなんてすーっかり忘れてしまっていました。どうよ、私のリセット術(笑)。


 じゃ、なくてですね。祖母の葬儀の最中に殺生はいけなかったな、という後悔と、まんまと騙された後悔と、自分がいかにうざい存在であるという(けど、しょうがないんです)後悔とで、今は頭がいっぱいです。


 まぁ、吸血ハエが本当にいるかどうかは今となってはわかりませんが、一番のオカルトは、その祖母のうちのお風呂が離れにあって、しかも五右衛門風呂だった、ということに尽きないでしょう。今はもうありませんけど、少しは覚えているものですね。


 つづく

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