第18話 寝言
みなさまは寝言って言いますか? 私の場合は、ある条件を一つでも満たすと寝言を言ってしまいます!!
まず一つ目の条件として。体がものすごく疲れているから、本気で深く眠りたい時。
二つ目の条件として。騒音がすごい時。
三つ目は発熱している時。
などです。以上の三つの条件がそろってしまうのが、入院中なのです。
もちろん、大部屋なので、他の方のイビキとかは覚悟してないわけではありません。
でも、その頃の私はまだ若かった。ほぼ二十代でしたからね。我慢ができなかったのですよ。だってその方、昼間大イビキかいて寝ているのに、夜眠れないからと、看護師さんに訴えて眠剤をもらい、夜も大イビキをかいて寝ているんですよ。で、察してもらえると思うのですけど、こういう方、大抵昼間はおしゃべりなんです。もうすごい大声で。
で、まぁ自分の話に戻りますが、その頃は手術入院にあたって、術前一週間前から入院して検査をしていました。なので、最初の三日くらいは本当に眠れていません。だって眠ってしまったら、寝言が出てしまいますから。
というおかしな遠慮ばかりしているから、結局寝言を言う羽目になります。入院四日目あたり。ついに心身ともに限界がやってきます。否が応でも眠ってしまいます。もうこの時点で三十七度七部くらいならとっくに出ています。
で、まぁその寝言っていうのがほぼほぼ喧嘩口調なんですよね。それはちゃんと覚えています。やめろー!! って、頭の中では自覚しているのですけど、もう止まりません。
やがて、本気で眠りに落ちることができます。他の方の目はおそらく、覚醒しているであろうことを自覚しながら……。
翌朝、病室の拡声器で起こされます。確か、時間なので起きてください的な放送です。
さて、困りました。私、またやってしまったと青ざめるも、まだ若かったため、よし、ここは寝言を言ったことなんてまったく覚えていないフリをしよう!! と、そう決めました。
やがて、方々のカーテンが開き、朝のご挨拶です。
「春川さん、ごめんな。おれ、イビキがひどいんだってな」
まずい。いつも饒舌な方が真っ先に謝ってきました。
「えーと? なんのことですか?」
しらを切ることにしたのですっ!!
もうさ、そのあたりからずーっと記憶もなく眠っていたような気がします。
さすがに術後すぐは体が拘束されているため、全身に激しい痛みが駆け巡ってほとんど眠れませんでしたけれども。
まぁとにかく、入院して大部屋だった場合は、自分だけじゃなく、周りの人たちもそこそこ騒音出していたりするので、寝言くらい言ってもいいのではないかなと割り切れた次第であります。まぁ、もう入院も手術も絶対にしたくないですけどね。
あ、先日、しつこく蜂に追い回された夢を見て、真夜中に悲鳴をあげました。自宅でよかったかも。
つづく
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