追憶の狂気(ついおくのこい)

しき

第1話 始まりの記憶

グチャリ、グチャリ。


部屋に響くは捕食の音。

青年は玉虫色の不定形の化け物に餌を与える。青年は泣きながらソレを与える。


グチャリ、グチャリ


青年は狂っていた。ただ、その狂った思考の中だけが今の彼にとっての安らぎの場所だったのかもしれない。


「あぁ、もうすぐまた会えるよ。星子しょうこ。」


今は亡き恋人、ソレの名を呼ぶ。



その後、青年は正気の中で自ら命を落とした。


テケリ テケリ・リ


部屋に響くは化け物の不気味な鳴き声だけとなった。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る