ヴィシュヌからチコへ

中筒ユリナ

第1話 チコを育てながら

チコ「ヴィシュヌ様!

一緒に来て!お茶しましょ!」


相変わらず、天真爛漫な僕の育てている娘。


ちょっと、落ち着きがなく、おっちょこちょいだ。


それも無理はない。。


まだチコはほんの小さな女の子。


彼女を見ながら、自分自身を思い出す。


チコくらいの頃、僕はどんなだったか。。。


思い返しては・・・


自慢にもならないな。。。




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僕は「ヴィシュヌ」と言う、神の称号をもらうまでは、唯のそこら辺りにいる普通の男児だった。


ここで話しておくが、


「ヴィシュヌ」と言う神は、本家本元がおり、この方こそ、皆がよく知る、ヒンズー教のヴィシュヌ様だ。


その方を筆頭に、「ヴィシュヌ」と言う称号を頂き、神様として多くのヴィシュヌ様達は、様々な活動をしながら、地球や、人々を導いたりされている。



僕もそのうちの一人と言うわけだ。


僕は元は、ある星で生まれた。


父と母がいる。


しかし、幼い頃にはその星も両親と呼べる方々からも離れて過ごす事に。


僕が送られた所は、僕位の子供達がわんさかいる所だった。


今で言うところの、学校のような所になるのか。


僕はそこで、学ぶ事になるんだ。


神様になる為のお勉強かな。


既に、僕の使命は、決められていた。生まれてきた理由すらも。


本家本元の神々を筆頭に何方かの称号を貰い、神として将来仕事をすると言う使命。


その使命の元、僕は生まれ故郷を離れてこの学校のような所へ来たわけだ。


そこでは、基本的な神様についての学びをし、実習のような、様々な所へ行き神様のお手伝いをしたり。


まだ、幼い僕はそうやって育った。


友達と言える気の合う仲間ができた。


友人の中には、活発な元気の良い奴もいたが、僕はどちらかと言えば、動きのある事よりも、気になるものを見つけては観察したり、何かを書いたりするような、動ではなく、静な基質だった。



そうして、青年くらいになると、いよいよ、神として、どの神の道へ行くかを決めるようになる。


僕は既に自分で決めていた。


「ヴィシュヌ様」だと。


ヴィシュヌ様を調べ、どんな神様なのかを勉強してきた。


自分にはかなり近い感じをうけていたんだ。


何が近いかと言えば、静を好み、冷静であり、穏やかなご性格。


何かと共感できる事が多かった事から、決めていたんだ。


僕は「ヴィシュヌ様」として頑張ろうと。


それが、なぜか、グループの長になっている自分。。。


これは、さすがに、そんな予定は僕の中ではなかった事だった。

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