End of Story
けーと
プロローグ ~崩れる世界~
小さな町の小さい木造の家の中で佇む1人の少女。
同じことが繰り返されるだけの世界はつまらない、町には美味しそうなパンを売っているお店がある、森の中には綺麗な場所がたくさんある。なのに、私はそれらを楽しむことができない。どれだけ月日が経とうとも私はいつまでも13歳のまま。
私はもう怖い目に会いたくない、オオカミに食べられたくない、大好きなおばあさんに化けてほしくない、おばあさんが食べられるなんて考えたくもない。
最後は助かるなんて関係ない、嫌なものは嫌だ。
動くことすらできない静寂に包まれた世界の中、少女は頭の中でひたすら祈った。
「自由に生きたい、自分の意志で動いて、自分の好きなことを好きなだけやりたい。」
世界が動き出した。
…また始まったのか
少女は落胆したが、いつもとは様子が違う。
いつもは頼み事をしてくるお母さんが動かない。
少女は自分だけが動けることに気付くと家の外に出てみた。
町の誰も動くことはなく、木も風にそよぐことすらなかったが、フードから垂れ、まとめられた自分の長く赤みがかった金色の髪は自分の動きに合わせて揺り動く。
「私の祈りが通じたんだ!」
少女は嬉しくなり、まずはパンを食べようと町へ出掛けようと思い、走り出す。
その瞬間、足元が揺らぎ倒れこんでしまう。
悪い予感がする。もう二度と来ないで欲しいと思っていた物語に始まってほしい。
しかし、状況を一切飲み込めないまま少女の意識は途切れた…。
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