第19話 外出準備(5) ~エアライフルを発注
とりあえず出来た。
『僕が考えた、この状況では理想のエアライフル』概念図が。
そうは言っても基本的には海外で売っているそのままだ。
元のエアライフルに無い機能は三点バースト機能だけ。
エアライフルの口径は最初は6.35mmのつもりだった。
しかし使用例などを見ているうちに欲が出てきてしまった。
サル駆除用だけでなく、猟そのものを楽しむのもいいかなと。
本でハトやヒヨドリ、鴨なんてのを相手にした体験部分を読んだ結果、面白そうというか美味しそうと感じたのだ。
鹿よりむしろ鳥の方が美味しそうに書かれていたし。
鳥を食べるために撃つのなら、口径6.35mmでは大きすぎる。
サルも倒すのでなく追い払うだけなら、6.35mmなんてのは必要無い。
そして小口径の方が弾速が速いし装弾数も多い。
そんな事を考えた結果、口径5.5mmを2丁、そしていざという時用の6.35mmを1丁という事にした。
3丁にしたのはエリとマキにも使って貰うつもりだからだ。
サル等の集団を追い払うなら、数は正義だろう。
また7.62mmを選ばなかったのは、この大きさが必要な場合は多分無いと思ったから。
大型獣であろうと
概念図を見て、大丈夫だろうと確認して、そして念のため元にしたエアライフルが載っている本のページをいつでも開けるような状態にして、部屋を出る。
リビングでは予想通り、エリとマキがテーブルのいつもの位置に座っていた。
僕の椅子に座って、そして2人に話しかける。
「エリ、マキ、
「どうぞ」
「どうぞ」
エリとマキ、両方から返答があった。
ならこのまま説明しよう。
「御願いしたいのは空気圧で稼働するエアライフルです……」
概念図や本を見せて2人に説明。
「わかりました。銃本体は3丁とも10分で提供可能です」
「弾、予備マガジン、10分で提供可能です」
こちらが何も言わなくても分担してくれている。
何か進歩があったのだろうか。
表情もほんの少し変わった気がする。
気のせいかもしれないけれど。
「エリもマキもありがとう。それでは今頼んだ銃が提供されたら、この銃の練習を兼ねて外へ出ましょう。その時にまた恩恵の地の周囲をぐるっと回る予定です」
「わかりました。それでは着替えておいた方がいいでしょうか」
エリが自発的に聞いてきた。
やはり今までと少し違う。
「確かにそうですね。着替えておいた方がいいです」
ただ目の前で生着替えは目に毒だ。
しかしここで着替えるなと言うのも変かもしれない。
ここは僕が自室に待避する事で誤魔化そう。
「それでは僕は30分後に着替えて戻ってきます。それまで着替えたり、本を読んだり、その他自分が必要だと思う事、やった方がいいと思う事、やりたいと思った事、何もなければ休息する等を自分で自由に判断してやって下さい」
ここまで言えば何もしないは無いだろう。
そう思いたい。
「わかりました」
「わかりました」
それでは僕は自室へ待避しよう。
『
『わかりました』
2人が着替えはじめた音が聞こえる中、自室へ待避。
部屋に入った後、説明に使った本やメモを忘れてきた事に気付いたが、もう遅い。
後で回収しよう。
それではゆっくり着替えるとするか。
『
『わかりました』
これだけで靴から手袋から、全て一式出してくれるのはなかなか優秀だと思う。
ズボンを脱いだ時、ふと思い出した。
そう言えば今回、2人の反応が今までと違ったなと。
ここは
『
『昼食以降、
『
『時間経過によってもある程度は自己判断出来るようになります。それにそれ以外の要素が自己判断能力の育成に関与している可能性は充分にあります。
ただ何がどう影響するかについてはデータ不足でわかっていません』
わからないか。
なら今後もどうなるかはわからない訳だ。
それに自己判断という形で表に出てようと出てまいと、エリやマキは自分で思考・考察しているのは間違いない。
なら今後も従属物で無く、仲間として扱うのが正しいだろう。
その方が僕としても気持ちが楽だ。
あわよくば、お友達よりもっと……という下心を抜きにしても。
『
意味があるかどうかは分からないけれど、一応礼を言って、そして僕はふと気がつく。
銃の試射をやるのだから、的があった方がいいと。
『
『厚紙製で良ければ依頼後、10秒程度で提供可能です。的を取り付ける台も同程度の時間で提供できます』
ならば現地で頼めばいいな。
『
つい礼を言ってしまう。
相手は多分機械というかAIみたいなもので、礼を言う必要は無いだろうと思うのだけれど。
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