第9話ある回想の行方
自転車で走る。疾走していく、パンクでタフな、ボーイ、そしてガールフレンドの腕の中。
タトゥー。
鳩とハートの重なり合うユニゾン。それから、最適な快楽性、または、物理性。
狭い店内で広がる無数の表現力。一着、着実に服をラブる、レズみたいな妙な奴。
クンクンと、匂いさえ、あるいは、気配さえ、感じ取るあいつは、クールでいかしたタフボーイ。
ウェスト・コーストの風の匂いがする。フロアに広がる、ときめきの風。撫でる。音楽、それも、ポップで刺さる。ポップなガール。胸に刺さる音。囁くような些細なケンカが絶えない、そんな僕に、ガールフレンドが言う。
「恋に撃たれて、今日はどこまで行くの?」
すると、僕は答える。
「恋に撃たれて、永遠の先にある、愛の世界へ、そう古着屋へ」
手をつなぎ、抱き合う。
そこはユメセカイ。
千年の眠りから覚めた、おとぎの国のお姫様。
パレード、または、ハイグレード、ポップでヒップなあの子はいかす。
ディーゼルのジャケットを着たあいつ。腕には、希望を計るような、ポリスの時計。ずたずたになったダメージジーンズ。
足元は、よれた赤いコンバースのスニーカー。
僕とガールフレンドは、フロアで、突然踊りだすようなリズムの取り方で、ゆっくりと、性急に、時間をかけて、丹念に、調べる。まるで、過去の痕跡、前に着ていたて人の雰囲気まで察するような愛の瞳で。キラキラしていた。青春の陰り。そして、ガールフレンドはこう言った。「あなたの横を通り過ぎる時、香りがするの」「なんの?」「そう、まるで潮風のような香り、例えるなら、そうね、そのまま、かしら? ふふふ!」
僕は、はにかむ。
君は僕の手を取り、一緒に踊った。
ポップなメロディ。血が流れるようなリズムそれからウィスパー。踊ろう。このまま、そう「死」に向かっていく、ロックでやばいダンスを。
これからどこへ行こうか?
僕は、こう言う。
「笑顔の楽園、そう、再び、見上げた星空に流れた流星」
声がする。
買って、聖なる神殿から、出た。
僕のダンスは、ここで終わる。
続けよう、いかしたクールなあいつがやってきたから。
流星に乗って、僕はあいつとロケットで、月までかっ飛ばす。
そうこれはあくまで回想。
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