四足演算!!
福留あきら
序章 キツネ + ライオン = 政治家
「――“政治家はキツネの狡知とライオンの威を必要とする”!!」
窓の外で、朗らかなそよ風が桜の花びらを運んでいる。そして大講堂の中では、春の嵐のように力強い青年の声が響き渡っていた。
「君主論で有名なニッコロ・マキャヴェリが残した言葉だ。獅子は落とし穴に対して自らを防ぐことはできず、狐は狼に対して防ぐことができない。しかし!! 国を治める者は罠を知るために狐となり、狼を走らせるために獅子とならねばならない!!」
壇上に立つ男。それはまるで国を背負って立つかのごとき威厳と気概を持って今年の新入生に強く訴えかける。
「お前達にはこの三年間で狐となり、獅子となって貰わなければならない。この私立
心に刻み込むような言葉とともにこの学校の厳粛な雰囲気を植え付けながら、生徒会長を名乗る男は祝辞を述べ終える。
それと同時に辺り一面拍手喝采となり、入学式はそのまま粛々と進められていった――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます